遠藤エミ 女子初SG制覇!!ボートレース70年 発祥の地・大村で歴史の扉こじ開けた!!

[ 2022年3月22日 05:30 ]

優勝カップを手に笑顔の遠藤エミ(撮影・中村 達也)
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 ボートレース発祥地の大村ナイターで歴史は動いた!SG「第57回ボートレースクラシック」は21日、第12Rで優勝戦が行われ、遠藤エミ(34=滋賀)が完璧な逃げを披露して女子レーサー初のSG制覇。賞金3900万円を獲得して、今年の賞金ランキング1位に浮上。年末の当地で行われるグランプリ(12月13~18日)出場も現実味を帯びてきた。2着は上條暢嵩、3着は中島孝平が入った。

 (「今までにない/ぐらいの緊張」/) ボートレースファンは誰もが感動した。いや、見る者を泣かせた。ウイニングランでの雨は、みんなの涙だったのかもしれない。

 白紙となっていた歴史に新たな一ページが加わった。舞台はボートレース発祥の地・大村。1952年(昭27)4月に始まったボートレースで、これまで女子レーサー(約530人、現役239人)でSGを制覇した者はいない。インからコンマ07の快ショット。先マイから堂々の逃げ切り勝ちだった。遠藤エミが誰も成し得なかったSG制覇をやってのけた。

 「歴史に名を刻みたいと思っていた。めちゃくちゃうれしいです。今までにないぐらいの緊張だったけど、緊張を感じながら逃げないようにと。エンジンは抜群だったので、本当に自分がミスだけしなければと思っていました。でも(道中は)ガチガチで、レバー操作とハンドルは合っていなかった」

 当然、計り知れないプレッシャーがあった。エンジン68号機の後押しもあったが、優勝をつかんだのは遠藤が成長した証。これまでSGには27節登場していたものの、ついに頂点へとこぎ着けてみせた。努力は裏切ることはなかった。

 「去年は悔しい思いをいっぱいして、自分にSGを獲る覚悟が足りないと思った。覚悟を持って取り組んでいこうと思っていたところだった。まだまだうまくもないし、強い選手になりたい。大村は本当に相性がいいです」

 当地では16年レディースチャレンジカップ、17年にはクイーンズクライマックスで史上初となる完全Vを達成している。水面も味方してくれた。年末の大一番グランプリ開催地も、ここ大村。優勝賞金3900万円を加算したことで、出場はほぼ確実と言ってもいい。女子では誰も経験したことのないグランプリの舞台。まだこれで終わりではない。ボートレース界の歴史に、これからも名を刻み込んでいく。(高橋 大樹)

 ◇遠藤 エミ(えんどう・えみ)1988年(昭63)2月19日生まれ。滋賀支部所属の34歳。102期生として2008年5月にびわこでデビュー。09年12月にまるがめで初優出。12年11月に鳴門で初優勝。17年12月クイーンズクライマックスでG1初優勝。通算129優出37V。主な同期は上野真之介、前田将太らがいる。身長1メートル55、44キロ。血液型A。

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