【金鯱賞】“黄金の逃げ脚”ジャックドール 衝撃レコードV!5連勝で重賞初制覇、いざG1

[ 2022年3月14日 05:30 ]

<中京11R・金鯱賞>直線で後続を突き放しレコードで重賞初制覇を飾った藤岡佑騎乗のジャックドール(撮影・亀井 直樹)
Photo By スポニチ

 牡・牝豪華メンバーが集結した「第58回金鯱賞」が13日、中京競馬場で行われ、1番人気ジャックドール(牡4=藤岡)が1分57秒2のレコードで逃げ切った。昨秋から5連勝で重賞初制覇。今後は優先出走権を手にした大阪杯(4月3日、阪神)でG1獲りに挑む。

 令和の金鯱賞で新たな栗毛伝説の始まりだ。1番人気のジャックドールは初めて戦う重賞の同型相手でもハナは譲らない。楽な手応えのまま直線に入ったが、レイパパレ、アカイイトのG1牝馬も迫ってくる。そこから粘り腰を発揮して寄せ付けず2馬身半差の快勝。マークした1分57秒2の勝ちタイムは、従来の記録を1秒1も更新した。

 5連勝に導いた藤岡佑は「最後までラップを緩めずしっかり粘ってくれました。(直線で)ターフビジョンを見て相当、強いなと思いました」と進化するパートナーの走りに驚きを隠せない。「とても軽くて力強い馬。あまり他の馬では感じたことがないストライドです」と特徴を口にした。

 24年の時を超え、桶狭間の舞台でニューヒーローが誕生した。自ら刻んだ前後半の1000メートルは59秒3→57秒9。後半の方が1秒4速い、後傾ラップで逃げ切った。これは2走前、3走前も同じ前後半の差。98年の金鯱賞を1分57秒8で逃げ切った“音速の貴公子”サイレンススズカは58秒1→59秒7の前傾ラップ型だった。“黄金の逃げ脚”でラストも伸びるジャックドールは令和に現れたニュータイプだ。

 鞍上の父でもある藤岡師は「全体時計が速くて上がりも速いし、後ろの馬は来れない。いいことだね」と評価する。1歳時に19年北海道セレクションセールで3456万円で落札された逸材。指揮官は「馬っぷり、バランスが良くて、めちゃくちゃいい馬だった。なかなかこれだけいい馬は出てこないので、オーナー(前原敏行氏)にお願いした」と出合いを振り返った。

 圧巻の勝ちっぷりで5連勝を飾り、次は優先出走権を手にした大阪杯がターゲットだ。同じ4歳世代の現役最強馬エフフォーリアとは初対戦となる。鞍上は「さらに大きい舞台でも同じようにいい走りができるように、僕も期待しています」と力を込めた。98年、4連勝で当レースを制したサイレンススズカは続く宝塚記念も逃げ切りV。令和に現れた光速のヒーローがG1舞台でも圧倒的なスピードで光り輝く。

 ◆ジャックドール 父モーリス 母ラヴァリーノ(母の父アンブライドルズソング)18年4月8日生まれ 牡4歳 栗東・藤岡厩舎所属 馬主・前原敏行氏 生産者・北海道日高町のクラウン日高牧場 戦績9戦6勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億4752万円 馬名の由来は人名より+黄金(仏)。

 ▽98年金鯱賞VTR 当時は5月開催。サイレンススズカはスタートから後続をグングン突き放すと、1秒8差の大差で逃げ切った。当時としては驚異的な1分57秒8のレコードV。その圧勝劇をファンは大きな拍手で迎えた。今でもファンの間で語り継がれている伝説のレース。続く宝塚記念も1番人気に支持され、ステイゴールドを抑えてG1初制覇を果たした。

 【金鯱賞アラカルト】
 ☆藤岡佑 当レースは07年ローゼンクロイツ以来2勝目。JRA重賞は21年デイリー杯2歳S(セリフォス)以来で通算41勝目。
 ☆藤岡父子V 藤岡師は19年シリウスS(ロードゴラッソ)以来、JRA重賞通算14勝目。息子・佑介とのタッグでのJRA重賞Vもそれ以来で7回目。同じく息子・康太の勝利を含めると父子での重賞Vは8回目。
 ☆レコードタイム 優勝タイム1分57秒2は17年ストロングタイタン(マレーシアC)の1分58秒3を上回るコースレコード。
 ☆5連勝での金鯱賞V グレード制を導入した84年以降、98年サイレンススズカの4連勝を抜いて最多連勝での勝利。
 ☆モーリス産駒 JRA重賞は21年スプリンターズS(ピクシーナイト)以来で通算5勝目。

続きを表示

この記事のフォト

2022年3月14日のニュース