【阪神8R】聖奈「ホッ」初勝利 女性騎手最速タイ、免許交付13日目

[ 2022年3月14日 05:30 ]

<阪神競馬8R>ブラビオで初勝利を挙げ笑顔で引き揚げる今村(撮影・後藤 正志)
Photo By スポニチ

 阪神競馬場にひと足早い桜が咲いた。JRA現役4人目の女性ジョッキー・今村聖奈(18=寺島)が阪神8Rで初勝利。1日の免許交付から13日目の初白星は昨年の古川奈に並ぶJRA女性騎手最速となった。

 デビュー2週目で通算17戦目。手綱を取ったのは自厩舎の5番人気ブラビオだ。積極策も予想されたが、冷静な判断で好位5番手を確保。直線は外から末脚を伸ばし、先行するトーホウスザクを捉えて勝利のゴールに飛び込んだ。

 検量室前に引き揚げてきた今村は開口一番「ありがとうございます」と関係者に頭を下げた。「おめでとう」の声が飛ぶ。緊張の糸がほぐれた優しい笑顔だ。

 「まず一つ勝つことができてホッとしています。たくさんの馬に乗せてもらっていましたが、午前中も失敗ばかり。同じ失敗ばかりしているとチャンスもなくなる。馬に感謝したい。チャンスのある馬に乗せてもらい、オーナー、先生、スタッフに結果で恩返しできて良かったと思います」

 安堵(あんど)の表情は師匠・寺島師も同じだ。

 「気性的に危ないところもある馬ですが、上手に乗ってくれたと思います。4キロの減量を生かしただけの競馬じゃない。価値のある勝利だと思います」

 愛弟子のセールスポイントを“度胸”だと寺島師は即答する。「物おじしない。平常心だし、度胸がいいですからね」と話す。ひとつの壁を突破し、視界が開けた。キャリアを積み重ねながら一流騎手への道を歩む。どんな苦難も彼女なら度胸で乗り越えてくれるはずだ。

 《調教助手の父も破顔一笑》父・今村康成調教助手(栗東・飯田祐厩舎)も競馬場で愛娘の記念すべき初勝利の瞬間を見届けた。「勝つ時は上手に見えますね」と破顔一笑だ。一緒に記念撮影に納まり、「たくさんのいい馬に乗せてもらっていましたが、うまく結果が出てなかった。本人が一番ホッとしているんじゃないでしょうか。結果に満足することなく頑張ってほしい」とエールを送った。

 ◇今村 聖奈(いまむら・せいな)2003年(平15)11月28日生まれ、滋賀県出身の18歳。栗東・寺島厩舎所属。父・康成氏は元騎手で、JRA通算45勝。父の影響で騎手を志し、小学5年で馬乗りを始める。目標の騎手は武豊、幸。趣味は馬の写真を撮ることと服などのショッピング。特技はボールペン字。好きな芸能人は新田真剣佑、平野紫耀(King&Princeのメンバー)。好きな食べ物はアイスクリーム。

続きを表示

この記事のフォト

2022年3月14日のニュース