ドウデュース“調整失敗”を武に救われた前川助手

[ 2022年3月4日 05:30 ]

ドウデュースと前川助手(撮影・平松さとし)
Photo By 提供写真

 【競馬人生劇場・平松さとし】今週の弥生賞ディープインパクト記念(G2)に出走するのがドウデュース(牡3=友道)。同馬を担当する前川和也助手(45)と初めて会ったのは06年のオーストラリア。当時、角居勝彦厩舎で働いていた彼はデルタブルースとポップロックの遠征に同行していた。

 「デルタブルースの本来の担当者が、日本のG1にも出走馬を送り込んでいたため、代役で僕が飛ぶことになりました」

 前川助手はトレセン入りする前にオーストラリアで調教ライダーをした経験があった。そのため、代役の座に立候補。日本でのG1を終えた本来の担当者が現地入りした後もそのまま残ると、デルタブルースはメルボルンC(G1)を優勝してみせた。

 「南半球最大のレースと言われ、オーストラリアの全国民が注目するというだけあって、レース後は僕のような立場でもサインを求められたし、レストランなどもほとんどの所でお店側のおごりにしてもらえました」

 帰国後トールポピーやアヴェンチュラ、サンビスタといったG1馬に関わった後、18年に友道厩舎に転厩。昨年の秋からドウデュースを任されるようになった。

 「新馬を勝った後から担当になりました。2戦目のアイビーSは東京への長距離輸送だったので、カイバを多めに与えました」

 結果、前走比プラス12キロの506キロ。レース前には武豊騎手に「すみません、やっちゃいました」と伝えたという。しかし結果は新馬戦に続く連勝。続く一戦は朝日杯フューチュリティS(G1)となった。
 すると今度は前走比マイナス10キロの496キロ。本馬場へ向かう前の馬道で武豊騎手に言われた。

 「絞れて良かったね」

 その直後、ドウデュースと天才騎手は先頭でゴールイン。戦績を3戦3勝とし、後にJRA賞最優秀2歳牡馬に選定された。今週末はそれ以来の実戦。

 「成長分もあって体重は増えていると思います。でも状態は相変わらず良いので期待しています!!」

 ディープインパクト記念だけに武豊騎手も決めたいところだろう。注目したい。 (フリーライター)

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2022年3月4日のニュース