JRA現役4人目の女性ジョッキー 今村聖奈「かっこいい騎乗」目指す 新人10騎手いざ初陣!

[ 2022年3月4日 05:30 ]

デビューを前に笑顔を見せる今村聖奈

 今週はガッツあふれる新人のデビューウイーク。10人の新人ジョッキーがプロの世界に足を踏み入れる。現役4人目の女性ジョッキー・今村聖奈(18=栗東・寺島)はデビュー週から阪神で土日計10鞍と騎乗馬がそろい、気合十分に全力騎乗を誓った。

 チャーミングな笑顔に加え、サービス精神が旺盛。誰からも愛される人柄が伝わる。今村聖奈は藤田菜七子、古川奈穂、永島まなみに続く現役4人目の女性ジョッキー。すらすらと質問に答える声はとても聞き取りやすく、たくさんの夢と希望が詰まっている。今村は目を輝かせながら意気込みを語った。

 「あまり緊張しない性格で、今は不安よりも楽しみな気持ちでいっぱいです。でも、当日は緊張するのかな…。まずは安全を第一にして、競馬というものを馬に教えてもらいます」

 父・康成氏は01年中山大障害(ユウフヨウホウ)などJRA通算45勝(うち障害40勝)を挙げた元ジョッキー(現・飯田祐厩舎の調教助手)。馬と触れ合う機会は多かった。幼少期の頃から体を動かすことが大好きで、体操やバレーボールなど複数のスポーツを経験。小学5年生から栗東トレセンの乗馬苑に通い始めた。

 「運動は得意でしたね。その中で一番しっくりきたのが馬乗りでした。お父さんのレースを見たりしていると、自然と馬の仕事に興味が湧き、騎手になりたいと思うように。お父さんよりもうまくなりたいという気持ちが大きかったです」

 15年ジョッキーベイビーズ関西地区代表決定戦(3着)に出場経験があり、19年JRA競馬学校に入学。今年2月に卒業した。調教スタンドに姿を見せると「聖奈ちゃん」と多くの関係者から声をかけられる。今村は「コミュニケーションを取ることが好きで、昔から“おしゃべりだね”とよく言われました。持ち味は…人見知りをしないこと」と笑みを浮かべる。

 近年は中央競馬だけではなく、地方でも毎年のように女性ジョッキーが誕生している。「時代が変わってきて、いい環境でデビューできることに感謝しています」。まだ幼さの残る18歳だが、考えは立派なプロ。

 「女性として注目されているのは分かっている。いい意味で目立って、その中で“あれ、女の子なの?”と思われる、かっこいい騎乗ができたらと思います」

 自厩舎の馬に騎乗する阪神土曜1Rリンギングフォンが開幕戦。新ヒロインの長い長い物語が始まる。(田村 達人)

 ○…今村は阪神土曜1Rリンギングフォンを含め、自厩舎の馬に3頭騎乗する。師匠・寺島師は「経験はやっていかないと身につかないが、馬乗りに関してはうまいと思う」と弟子の騎乗スキルを評価しつつ「明るくて、負けず嫌いな性格。それがいい方に出てくれれば」とエールを送った。

 ◇今村 聖奈(いまむら せいな)
 ☆生まれ 2003年(平15)11月28日生まれ、滋賀県出身の18歳
 ☆サイズ 1メートル59、47キロ
 ☆経歴 父・康成氏は元騎手でJRA通算45勝。父の影響で騎手を志し、小学5年で馬乗りを始めた
 ☆好きな芸能人 新田真剣佑、平野紫耀(King&Princeのメンバー)
 ☆好きな食べ物 アイスクリーム
 ☆趣味 馬の写真を撮ること、服などのショッピング

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