【マイルCS】インディチャンプ堅実無比 グランアレグリアVS3歳勢の構図に待った

[ 2021年11月15日 05:30 ]

国内20戦で掲示板を外したことがないインディチャンプ
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 エリザベス女王杯の余韻が残る仁川のターフで今週は秋のマイル頂上決戦「第38回マイルCS」だ。昨年、春秋マイルG1制覇を成し遂げたグランアレグリアは休み明けの天皇賞・秋3着から距離を縮め、連覇が懸かる舞台に照準を合わせてきた。シュネルマイスター、グレナディアガーズといった3歳勢は世代交代を期して古馬にぶつかる。グランアレグリアVS3歳馬の下馬評だが、こんな時に怖いのが経験豊富なベテラン。そう、6歳の古豪インディチャンプだ。

 インディチャンプは今回で22戦目を迎えるキャリアホース。絶頂期は2年前の4歳。安田記念でアーモンドアイを封じる金星。さらにマイルCSは馬群の中から完璧なハンドルワークで抜け出し春秋マイルG1制覇を果たした。当時、主戦福永が騎乗停止中で代打騎乗した池添が「いいポジションが取れました。直線も手応えがあったし仕掛けもバッチリ」と話していたが、とりわけこのレースは馬群から最小限の動きで抜け出す「さばき」のお手本のようなレース。その後は9戦して1勝(マイラーズC)だが、回転の速いピッチ走法で位置取りも巧みなら、直線は確実に伸びてくる。ギアが軽いタイプで操縦性がいい。そのため鞍上も馬群をいとうことがなく、コースの切り替えも上手なので前が詰まることも少ない。だからこそ21戦して【8・2・5・6】。着外の内訳は6戦のうち5戦が4着。残り一つは海外遠征だから、国内では掲示板を外したことがない堅実無比なのだ。

 1週前追い切りは栗東坂路で4F51秒2~ラスト1F12秒5。併せた相手には遅れてしまったが、音無師は「後ろから追いかけた分もあったと思う」と明快に説明。「休み明けだし、1週前はしっかりやっておきました」と事もなげに語る。十分な実績を誇るG1馬だけに、仕上げの手法も確立されている。間違いなく動ける態勢で出てくる。

 破壊力、あるいは勢い。これらではグランアレグリアに、3歳勢に譲る面もある。ただしインディチャンプはほぼ常にベストパフォーマンスが可能なレース巧者。昨年のこのレースだってグランアレグリアから0秒1差の2着だ。他馬に小さなミスがあれば、相対的に浮上してくる。話題の中心からは少し離れているが、馬券的には絶対外せない。この馬の2着軸、3着軸という戦略的な馬券の買い方も一考したい。

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2021年11月15日のニュース