【凱旋門賞】クロノジェネシス所有サンデーレーシング・吉田代表「構え過ぎず応援します」

[ 2021年9月30日 05:30 ]

サンデーレーシング・吉田俊介代表
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 「第100回凱旋門賞」(3日、仏パリロンシャン、日本時間23時05分発走)に挑戦するクロノジェネシス(牝5=斉藤崇)を所有するサンデーレーシングの吉田俊介代表(47)がスポニチ本紙に意気込みを語った。

 ――日本競馬の悲願とも言える凱旋門賞が今年も近づいてきた。
 「日本の競馬関係者全員がずっと勝ちたいと思っているレースだけど、それほど構えすぎないようにしています。意気込みすぎるとオルフェーヴル(12、13年)、フィエールマン(19年)の時も凄くショックを受けたので…」

 ――オルフェーヴルの12年は誰もが勝利を確信した。
 「あの形から負ける競馬があるんだと信じられない気持ちになりました。当時、前哨戦のフォワ賞を勝ったけど状態がそこまででなくレース中の手応えが悪かった。本番は凄く状態が上がっていたがフォワ賞のイメージがあって、ああいう(仕掛けが早い)競馬になったんだと思います」

 ――今年のクロノジェネシスは前哨戦を使わず宝塚記念(1着)からの直行。19年のフィエールマン、ブラストワンピースのような英国ニューマーケットではなく、直前まで栗東トレセンで調整を続けた。
 「それほど輸送時間に違いがないドバイへ遠征に行く時に、あえて前哨戦を使うようなことはしません。そもそも国内の競馬もぶっつけで結果を残す馬が増えてきているので。オルフェーヴルの時を考えれば、前哨戦で固定観念を持たない方がいい場合もあります。ニューマーケットは坂路があって素晴らしい調教施設だが、直前でフランスまでの輸送がありますよね。馬のタイプにもよるけど、今回は国内でギリギリまで調整することにしました」

 ――どのタイミングでクロノジェネシスの凱旋門賞挑戦を意識したのか?
 「昨年の宝塚記念ですかね。やや重で凄く強い勝ち方をした。この馬は3歳秋で大きく成長した。ゆったりとしたローテで成長を促して秋華賞(1着)も直行。リスグラシュー(4歳以降でG1・4勝)とかぶるのですが、馬が成長するタイミングでしっかりと休養させることが大切なんです」

 ――今回はご自身が副代表を務めるノーザンファームで生産されたディープインパクト産駒スノーフォールとの対戦も注目を集める。
 「凄く強い内容でG1を勝っていますからね。ただ、牧場にいた頃の印象は…あまり覚えていないんです。サクソンウォリアー(父ディープインパクト。18年に日本産馬として英クラシック初制覇)はよく覚えていて、牧場の人たちもG1を勝った時に凄く喜んでいたんですけど」

 ――対してこちらは04年凱旋門賞馬バゴの娘として現地で注目される立場。
 「向こうの人たちは、どれくらい気にしているんでしょうか(笑い)。今年は例年よりも順調に王道レースを勝ってきた馬たちが集まったので相手関係が気になります。こういうご時世で現地には私一人だけが見に行くことになりそうですが、どうにか頑張ってもらいたいです」

 ◇吉田 俊介(よしだ・しゅんすけ)1974年(昭49)4月13日生まれ、北海道出身の47歳。慶大卒。98年ノーザンファーム入社。同ファーム空港牧場場長を経て、現在は同ファーム副代表。サンデーレーシングの代表取締役も兼務する。父はノーザンファーム代表の吉田勝己氏。趣味はサッカー観戦。

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2021年9月30日のニュース