【新潟記念】マイネルファンロン 大外“驚”襲V、12番人気が重賞馬6頭撃破

[ 2021年9月6日 05:30 ]

<新潟記念>外ラチから伸びてレースを制したM・デムーロ騎乗のマイネルファンロン(右)右から2頭目は2着のトーセンスーリヤ(撮影・郡司 修)
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 夏競馬のフィナーレを告げるサマー2000シリーズの最終戦「第57回新潟記念」が5日、新潟競馬場で行われ、ミルコ・デムーロ(42)騎乗の12番人気マイネルファンロン(牡6=手塚)が重賞初制覇を豪快な大外一気で決めた。また、2着のトーセンスーリヤがサマー2000王者の座を射止めた。

 越後でミルコマジック。JRA重賞99勝目のM・デムーロがマイネルファンロンの鞍上で狂喜乱舞だ。ムチを天高く突き上げ、「やった!気持ちいい!」。検量室前では手塚師とグータッチ。「(今年のオークスを制した半妹の)ユーバーレーベンと同じ勝負服、厩舎でまた重賞を勝てた。本当にうれしい」と格別の勝利を喜んだ。

 気性難を抱える相棒とは初コンビ。「先生から気持ちが難しい、掛かりやすいと聞いていた」。リズム重視のレースを心がけた。ゲートでつまずき出遅れたのがケガの功名。外枠だったこともあり、ライバルたちと距離ができた。「他の馬と離れたからリズムが良かった。向正面のポジション争いでぶつかって少し気が入ったけど、典ちゃん(横山典、3着クラヴェル)の後ろに入れてからは凄く雰囲気が良かった」。直線入り口では前から15番手。日本最長658・7メートルを誇る新潟の直線を外ラチに向かって追いまくる。ファンロンは内でもがく先行馬を次々と追い抜き、最後は同じく後方待機策から外ラチ沿いに持ち出したトーセンスーリヤとの追い比べ。半馬身前に出たところがゴールだった。

 手塚師は第一声で「今日はジョッキーに尽きる。凄い!」。秘めた爆発力を発揮できない歯がゆいレースが続いていたが、30戦目で10人目の起用となったイタリアンが一発回答。「勝因は騎手。本当に難しい馬だけど、よく脚をためてくれた。向正面で折り合いがついたのが全て。本当に凄いよ」とメンバー最速の上がり3F33秒4の鬼脚を引き出した鞍上への賛辞が止まらなかった。

 これまでの4勝は全て4角で1~2番手以内からの押し切り。次走は未定も、あっと驚く脚質転換で、今後の選択肢の幅は大きく広がったに違いない。6頭の重賞ウイナーを撃破した爆発力は、さらなる上のステージでも通用しうると思わせるものだった。

 ◆マイネルファンロン 父ステイゴールド 母マイネテレジア(母の父ロージズインメイ)牡6歳 15年2月19日生まれ 美浦・手塚厩舎所属 馬主・サラブレッドクラブ・ラフィアン 生産者・北海道新冠町のビッグレッドファーム 戦績30戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億5649万5000円。馬名の由来は冠名+繁栄(中国語)

 【新潟記念アラカルト】

 ☆騎手&調教師 M・デムーロと手塚師のコンビの重賞勝利は今年のオークス(ユーバーレーベン)がある。M・デムーロはJRA重賞99勝目、手塚師は31勝目。

 ☆種牡馬 ステイゴールド産駒のJRA重賞勝利は昨年七夕賞(クレッシェンドラヴ)以来で通算113勝目。16年連続JRA重賞勝利を達成。

 ☆東高西低 関東馬の勝利は18年ブラストワンピース以来。通算では関東馬40勝、関西馬17勝。

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