【宝塚記念】(13)キセキ 2年連続2着からの悲願Vへ吉兆8枠、辻野師「内で包まれるよりいい」

[ 2021年6月25日 05:30 ]

引き運動で馬体をほぐすキセキ
Photo By 提供写真

 辛抱する木に花が咲くか。宝塚記念の枠順が確定し、4年連続参戦のキセキが、過去8年で7勝を誇る吉兆8枠ピンク帽(13番)をゲット。17年菊花賞以来、実に3年8カ月ぶりのG1制覇を狙う。6連勝中の新女王レイパパレは2番、昨年の覇者クロノジェネシスは7番に決まった。

 宝塚記念の“ピンク帽”は近年、ダービーの白帽と並び、吉兆アイテムだ。8枠は13年以降、過去8回で7勝をマーク。サマーグランプリは10年前から開催4週目の最終週に行われてきたが、今年は2週目。例年より馬場の荒れ度合いは少ないとはいえ、同じく開催2週目だった10年も8枠17番のナカヤマフェスタ(8番人気)が優勝。外枠有利の傾向は舞台設定にある。

 芝2200メートルのコースは1コーナーまでの距離が長く(525メートル)、外枠なら楽に理想のポジションを取れる。内回りの舞台で最後の直線が359メートルと短いため、3~4コーナーにかけて、各馬の動き出しも速くなる傾向。外枠ならごちゃつくリスクも少なく、スムーズに動いていけるのだ。

 4年連続参戦のキセキが8枠13番をゲット。枠順をチェックした辻野師は「大外枠なら絡まれることもなく見ながら行けるし、内で包まれるより、いいですね」と歓迎した。ゲートに課題のあるタイプだが、今回はスタートに定評のある福永とのコンビ。「先週金曜にジョッキーとゲート練習もしました。ゲートが決まれば、選択肢も広がりますからね」と鞍上に託す。

 17年菊花賞V以降、G1は2着4回と惜敗続き。宝塚記念も2年連続で銀メダルだった。角居厩舎の解散により、3月からは辻野厩舎所属として再出発。「メンタル的にベテランの域に入ったけど、体は若々しいです。追い切り後も変わりなく、肌ツヤがいいですね」と感触を口にする。

 週末の雨予報で時計が掛かれば、外枠有利の傾向を後押しする。10年以降、「2分12秒0」より遅い決着は6回あったが、勝ち馬は全て8枠の馬だった。キセキは不良馬場の菊花賞を勝ち、やや重だった昨年の宝塚記念2着。辻野師は「もう一つ上の着順が欲しいところですね」とグランプリ制覇に燃える。吉兆の“ピンク帽”で道悪も味方に、悲願のVをつかみ取る。

 ≪昨年クロノジェネシスも≫宝塚記念では8枠が快進撃。13年から17年まで5連勝。18年こそ8着&14着だったが、一昨年は8枠12番リスグラシューが1着、8枠11番スワーヴリチャードが3着に入った。昨年も8枠16番のクロノジェネシスが勝っている。今年は例年の開催最終日と違って開幕2週目。先週の芝は1~4枠8勝に対して5~8枠4勝と内有利だった。ただ、日曜日は雨予報も出ている。渋化すると馬場の内の方が悪くなりやすく、外有利に転じる可能性は十分。今年も8枠2頭は要警戒だ。

続きを表示

この記事のフォト

2021年6月25日のニュース