【ダービー】エフフォーリア 無敗2冠へ余力残しで1馬身先着、鹿戸師成長実感

[ 2021年5月27日 05:30 ]

横山武を背に3頭併せで追い切るエフフォーリア(中央)=撮影・村上 大輔
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 皐月賞馬エフフォーリアが26日の最終追い切りで成長ぶりをアピールした。豪華12頭出しで3年ぶりにダービーのタイトルを狙うノーザンファームの真打ち。戦後最年少ダービー制覇が懸かる横山武史(22)を背に、史上8頭目の無敗2冠へ前進した。

 ダービーの成否は皐月賞から1カ月半の成長曲線に懸かっている。金文字で「エフフォーリア」と印字されたダービーゼッケンの前後に浮き上がる筋肉の隆起。その鋼のような前後肢をしならせた追い切りの最後に試練が待っていた。3頭併せの真ん中で雄大なフットワークを伸ばしながら迎えたWコースの直線。2馬身後ろに位置したファビュラスノヴァ(3歳未勝利)が接触するほど馬体を寄せてきた。にわかに気負ってハミをかみ、ストライドに力がみなぎる。だが、次の完歩を伸ばすときにはリズムを取り戻していた。ゴール前では余力残しで1馬身の先着。

 「実はわざと力ませたんです。後ろの馬の鞍上にあえてギリギリを攻めてもらって、その感触を確かめたかった」と明かす横山武。「力みやすい馬。以前のエフフォーリアならガーッと掛かっていっただろうね。ダービーでは折り合いが課題になるが、ファイトしても行き過ぎずに走れた」と気性の成長を感じ取った鹿戸師。初の2400メートル戦で改めて問われる課題も克服した。「馬体も放牧から10キロ増やして帰ってきた。毎日いい汗をかいても減らない。キ甲が抜けて筋肉のメリハリが際立ってきた」

 昨年の3冠馬コントレイルが天才型なら、今年無敗2冠に挑むのは秀才型。「一瞬の脚で後続を突き放し、抜け出してからも真面目に走り続ける。そこが一番凄いところ。大きなフットワークなので東京なら何の不安もない」と鹿戸師は語る。

 新馬戦からクラスが上がるごとに着差を広げてきた。皐月賞では3馬身の決定的な差。平成以降の皐月賞を3馬身以上の差で勝ったのはナリタブライアンとオルフェーヴルだけ。どちらも後の3冠馬。今年の無敗皐月賞馬が1カ月半で遂げた心身一如の変貌。その成長曲線が2冠獲りの成否を雄弁に示している。

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