【フィリーズR】ヨカヨカ“歴史変えるモン” 熊本産馬初のJRA平地重賞制覇狙う!

[ 2021年3月9日 05:30 ]

フィリーズレビューで熊本産初のJRA平地重賞制覇を目指すヨカヨカ
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 注目の3歳馬にスポットを当てる「Road to Classic」。今週は14日に東西で行われる桜花賞トライアルに注目。阪神のG2「第55回フィリーズレビュー」には熊本生まれの九州の星ヨカヨカ(牝=谷、父スクワートルスクワート)が参戦。阪神JF5着の実績はここでは一枚上。16年ぶりの九州産馬、そして史上初の熊本産馬によるJRA平地重賞制覇を狙う。中山の「アネモネS」組からは良血ジネストラ(牝=鹿戸、父ロードカナロア)をピックアップした。

 
 大牧場のエリートホースを小牧場出身馬がなぎ倒す。古くから競馬の魅力だった構図だ。0・8%しかいない九州産馬。熊本から飛び出したヨカヨカにG2制覇のチャンスが訪れた。

 一般馬相手の新馬戦Vから3連勝。ファンタジーS(5着)で連勝はストップしたが、阪神JFは逃げて見せ場十分の5着に粘った。その後は放牧を挟み、トライアルから始動。担当の川端助手はこう語った。「放牧から帰ってきた時は緩かったが、長めから乗り込んできた。使った方がいいタイプではあるが(同じ休み明けの)ファンタジーSの時は攻めが足りなかった。当時よりも調教はこなしている」

 新コンビを組む幸を背に2週連続、CWコースで長めから負荷をかけた。態勢さえ整えば、ここでは力は一枚上だ。「ジョッキーも“2週前より良くなっている”と言ってくれた。体も前走と同じくらいで出せそう」。ラスト100メートルまで先頭をキープした前走の内容からも距離が短くなる点は歓迎だ。「1600メートルもこなしたが1200メートル、1400メートルの方がレースはしやすい。前走も引っ掛かって逃げているわけではない。行きたい馬もいるだろうが番手の競馬もできる」

 阪神JFで4着だったメイケイエールが6日のチューリップ賞を(同着)V。G1のレベルの高さを改めて示した。川端助手は「ハイレベルなレースだった。能力的に十分期待している」と力を込めた。過去10年のこのレース。阪神JF5着以内かつ“最先着”だった馬は【2・3・1・2】と堅実に走っている。

 鹿児島県鹿屋市出身の幸との“九州タッグ”も興味深い。今回勝てば史上初の熊本産馬によるJRA平地重賞V。その先に九州産馬初のG1制覇も見えてくる。勝ってヨカよ~。

 ≪現3歳世代で北海道産4601頭、熊本産17頭≫ヨカヨカなど現3歳世代で、日本生まれでありJRAに登録または1度でも出走した馬は4680頭いる。生産地の内訳を見ると北海道生まれが4601頭と圧倒的。熊本産17頭を含む九州産馬はわずか37頭。1%にも満たない0・8%だ。

 ≪九州産馬JRA平地重賞制覇は過去8度≫九州産馬のJRA平地重賞制覇(サラブレッド、サラ系)は8例ある。ヨカヨカは05年アイビスサマーダッシュ・テイエムチュラサン以来、16年ぶりの九州産馬Vを目指す。そして、熊本産馬が勝てば史上初の快挙となる。

 ≪父は米短距離戦線で活躍≫ヨカヨカの父スクワートルスクワートは01年ブリーダーズCスプリントを勝ち、米・エクリプス賞チャンピオンスプリンターに輝いた。引退後、日本軽種馬協会に購買され種牡馬入り。03年から供用。産駒はジェイケイセラヴィ、シャウトラインがオープンを勝ち、短距離路線で活躍するタイプが多い。16年からは九州種馬場でけい養されている。ヨカヨカの1つ上の姉ローランダー(牝4=中尾)は現在、2勝クラス。

 ▽フィリーズレビュー 1967年に創設された「阪神4歳牝馬特別」が前身。3着まで桜花賞の優先出走権が与えられる。近年、勝ち馬からは05年ラインクラフトが桜花賞V、13年メイショウマンボはオークス&秋華賞の2冠を制覇。敗れた馬からも08年3着レジネッタ、17年2着レーヌミノルが逆転で桜花賞を制した。ちなみに九州産馬は過去10頭が出走して6着が最高。熊本産馬の出走はヨカヨカが初となる。

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