【東京新聞杯】カラテ“初尽くし”重賞V!菅原明 ガッツポーズのち涙「うれしくてしょうがない」

[ 2021年2月8日 05:30 ]

<東京新聞杯>激しい叩き合いを制したカラテ(右)(撮影・郡司 修)
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 初尽くしのうれしい勝利だ。「第71回東京新聞杯」が7日、東京競馬場で行われ、5番人気のカラテ(牡5=高橋祥)がゴール前の接戦を制し3連勝で重賞初制覇。鞍上の菅原明良(19)、トゥザグローリー産駒にとっても初の重賞Vとなった。一方、中京で行われた「第61回きさらぎ賞」は3番人気の北村友騎乗のラーゴム(牡3=斉藤崇)が重賞初V。偉大な3冠馬の父オルフェーヴルが3着に終わった出世レースを制し、堂々とクラシックロードを歩む。

 2頭の激しい叩き合い。ゴール前でわずかに2着馬をかわしたのをカラテの鞍上・菅原明は確信した。まずはムチを持った右手でガッツポーズ、今度は手綱を右手に持ち替え、相棒の首筋にタッチしながら左手で何度も何度もガッツポーズし喜びを表した。その後、検量室に引き揚げる際の鞍上の目には光るものがあった。

 「うれしくてしょうがない。カラテには“ありがとう。よく頑張ってくれた”と言いたい。チャンスを頂いた関係者の皆さまにも感謝したいです」。3年目の菅原明にとって、3回目の重賞挑戦での涙の重賞初制覇。1月に重賞を勝った同期・団野に続いて、タイトルゲットだ。カラテにとっても3連勝での重賞初制覇。父トゥザグローリー、オーナーにとっても初尽くしのVとなった。

 衝撃の前走。昨年の皐月賞4着馬ウインカーネリアンを早めにかわして、3馬身差の完勝を収めてから約1カ月。また、ライバルたちを一刀両断する“勝利の形”を見せつけた。道中は中団前めでじっくり脚を温存。直線では前が壁になるも、空いた進路に誘導されると勢いよく加速。ほぼ同じタイミングで抜け出した2着馬を頭差制した。興奮冷めやらぬ菅原明は「ずっと手応えが良くて、直線を向いてからも進路を探すだけだった。思ったより追いだしが遅くなったが、いい脚を使ってくれた。なんとかかわしてくれ!と必死に追いました。強い勝ち方でした」と振り返る。

 東京の高速馬場でのVに高橋祥師は「(荒れ馬場の中山の)前走はわりと強かった。今日の馬場では強烈に強かった」と舞台を選ばない愛馬の頑張りを称えた。

 マイル路線に転換した昨年6月から、6戦4勝で階段を一気に駆け上がった。菅原明も「僕も馬に合わせてレベルアップしていきたい」と力を込める。今後もマイルに的を絞れば安田記念も視野に入る。スマイルカナなども管理する同師は、あと1年で定年を迎える。「なんとか今年は頑張っていかないとね」。鞍上に初重賞Vをプレゼントしたカラテが、今度はラストイヤーの師に2つ目のG1を贈るかもしれない。

 ◇カラテ 父トゥザグローリー 母レディーノパンチ (母の父フレンチデピュティ)16年5月27日生まれ 牡5歳 美浦・高橋祥厩舎所属 馬主・小田切光氏 生産者・北海道新冠町の中地康弘氏 戦績23戦5勝(重賞初勝利) 総獲得賞金8812万5000円 馬名の由来は空手。

 ◆菅原 明良(すがわら・あきら)2001年(平13)3月12日生まれ、千葉県出身の19歳。美浦・高木厩舎所属。19年3月2日にデビューし、同4月20日の福島6Rタイキダイヤモンドで初勝利。JRA通算1201戦69勝(7日現在)。JRA通算107勝の三浦堅治元騎手のおいにあたる。1メートル63、45キロ。血液型O。焼き肉が好きでニンジンが苦手。

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