アーモンドアイ感動をありがとう!ルメール 愛馬へ手紙「記憶に永遠に残ります」

[ 2020年12月20日 05:30 ]

アーモンドアイの引退式で手紙を読むルメール(右端)(撮影・郡司 修)
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 史上初の芝G1・9冠馬アーモンドアイ(牝5)の引退式が19日、全レース終了後の中山競馬場で行われた。無敗の3冠馬2頭を破った今年のジャパンCの馬服姿でパドックを周回。限定入場した約1700人のファンの拍手に見送られ、静かに競馬場を去った。また、管理した国枝栄師(65)が最強女王の全15走からベストレースを選んだ。

 ルメール、国枝師ら関係者が見守る中、アーモンドアイは現役時代と変わらず落ち着いてパドックをゆったり歩いた。競走生活を離れ、馬名の由来にもなったつぶらな瞳は早くもすっかり優しい母のものに。国枝師が「これだけ凄い成績を残してくれた。楽しい思い出をありがとう」と語りかけると、見守っていた観衆からは拍手。アーモンドアイの勝負服と同じ柄のマスクをしたファンの中には涙ぐむ人もいた。

 G1・9勝の全てで手綱を取ったルメールは用意した手紙を取り出して約3分半のロングスピーチ。「今日は日本競馬の歴史を塗り替えた素晴らしい馬をお祝いする日です。彼女のたたずまい、走る姿、ファイティングスピリット、類いまれな能力は海を越えて世界のファンを魅了しました」と愛馬の功績を称え、「背中で味わったスリルと興奮は忘れない。アーモンドアイは記憶に永遠に残ります」と締めくくった。

 今後は生まれ故郷のノーザンファームで、繁殖牝馬として第2の馬生を送る。木曜日にノーザンファーム天栄(福島県)を出発し、金曜日にはデビュー以来初めて北海道に戻る。初年度の交配相手について、ノーザンファームの吉田勝己代表は「エピファネイアだと思う」と言及。初子は早ければ24年にデビューする。同年に69歳の誕生日を迎える国枝師は「牧場で無事に子供が生まれたら私の厩舎でやりたい。いい子を産んでください」とアーモンドへ最後のメッセージ。9冠馬は、日本競馬史上最強のDNAを受け継ぐ2世へ夢をつなぐべく、新天地へと旅立った。

 ◆アーモンドアイ 父ロードカナロア 母フサイチパンドラ(母の父サンデーサイレンス)15年3月10日生まれ 牝5歳 美浦・国枝厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道安平町のノーザンファーム 戦績15戦11勝(うち海外1戦1勝、重賞10勝) 総獲得賞金19億1526万3900円 馬名の由来は美人とされる顔の目の形。

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