7日東京競馬4Rの1着馬から禁止薬物 カフェイン検出失格、府中署に調査依頼

[ 2020年11月12日 05:30 ]

2020年11月7日の東京4Rで1着だったソーヴァリアント(右)
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 JRAは11日、美浦トレセンで緊急会見を行い、今月7日の東京4R2歳未勝利戦で1着となったソーヴァリアント(牡=大竹、父オルフェーヴル)から、禁止薬物に指定されている「カフェイン」が検出されたと発表。一般的に、興奮作用のあるカフェインは競走能力に影響があるとされている。これが競馬法第31条第2号に該当しているおそれがあるため、JRAは東京競馬場を管轄する府中警察署へ届け出て調査を依頼。競馬施行規定第128条第1項に該当するため同馬は失格となり、賞金は進上金も含めて没収。7~16日の出走停止処分となった。

 JRAで1着馬から禁止薬物が検出されたのは、14年12月7日の中山6R新馬戦を勝ったピンクブーケ以来。現時点では同馬がカフェインを摂取した経緯は不明。同じ大竹厩舎所属で翌8日の東京5R新馬戦を勝ったスノークォーツ(牝2)からは禁止薬物の検出はなかった。

 JRA審判担当の福田正二理事は「お客さまならびに関係者の皆さまにはご心配とご迷惑をおかけしますことを心よりおわび申し上げます」と謝罪。同レースの競走成績は変更され、2着セルジュが優勝馬となり以下は繰り上がり。ただし、レースは確定済みのため、規定に基づいて勝馬投票券の払い戻し変更は行われない。ブラストワンピースなどを管理する大竹厩舎所属の他の馬については問題がなければ、今週末の出馬投票は受け付けるとした。

 【関係者処分は?】JRAにおける過去の禁止薬物は昭和50年代には頻発したが、平成に入って激減。今回が令和初の検出例となった。関係者への処分は警察の捜査終了後となるが、直近では93年ファーストサクセスの際は管理する北橋師は調教停止3カ月。一方、前回のピンクブーケのケースは輸入品の飼料添加物が原因と特定され、管理する小西師など関係者への処分はなかった。

 ◆薬物検査 JRAでは全レースの1~3着馬と裁決委員が指定した馬(断然人気で凡走した馬など)の尿検体(尿が採取できない場合は血液)を、レース後に出走競馬場で採取。競走馬理化学研究所(栃木県)に送付し検査。陽性となった場合、該当馬は失格となり賞金などの支給も停止される。

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