【函館スプリントS】豊ダイア 父に贈るV!カナロア敗れた舞台で重賞2勝目

[ 2020年6月22日 05:30 ]

<函館スプリントS>ゴール前の直線で好位から抜けだし、一気に差し切って勝ったダイアトニックと武豊騎手(左端)
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 武豊とダイアトニックが父の日にふさわしい勝利のプレゼントだ。函館は父であり名騎手、名トレーナーだった邦彦氏の故郷。16年に肺がんでこの世を去った父に贈る函館SS(97年レース名改称後)初勝利となった。武豊は「函館は自分にとってもゆかりの地なので。いつも見に来てくれている親戚が来られないのは残念だけど、(勝てて)よかったんじゃないですか」と笑顔で話した。

 初コンビの相棒を信じた騎乗だった。好スタートから逃げるダイメイフジの直後をキープ。「ハナを切ってもいいくらいの気持ちだった。ゴチャゴチャするよりはと思って」と武豊。抜群のポジションから、直線で簡単に抜け出す。ダイメイフジをかわし、後続にはスプリント戦では完勝といえる2馬身の差を突きつけた。武豊は「今日初めて乗ったけど、かなり高いスプリント能力がある。この先も楽しみですね」と絶賛の勝ちっぷりだ。

 同じ安田隆厩舎で管理された名馬ロードカナロアを父に持つダイアトニック。父子を担当する岩本助手は「本当にお父さんに似てきました」と息子に父の姿を重ねる。大きな不利がありながら3着(4位入線)に善戦した前走・高松宮記念がフロックでないことを証明。安田隆師は「前走は本当に悔しかったので実力を見せてくれてよかった。初めての58キロを背負ってもまだ余裕がある感じ」と改めて愛馬の能力を称えた。

 今後はキーンランドC(8月30日、札幌)からスプリンターズS(10月4日、中山)へ。カナロアは12年の函館SSで2着に敗れた後に同年のスプリンターズSを勝利(13年も勝利)。息子はG1・6勝の偉大な父が敗れたレースを制し、その背中を追っていく。「もうすぐ皆さんが競馬場に来られる日が来ると思う。お会いできるのを楽しみにしている」と締めた武豊。今年の父の日のプレゼントには、秋への希望が詰まっていた。

 ◆ダイアトニック 父ロードカナロア 母トゥハーモニー(母の父サンデーサイレンス)牡5歳 栗東・安田隆厩舎所属 馬主・シルクレーシング 生産者・北海道浦河町の酒井牧場 戦績16戦7勝 総獲得賞金2億5588万2000円。

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