【馬券顛末記】フィエールマンの強さに脱帽、胸に突き刺さる静かなスタンドの映像

[ 2020年5月3日 16:21 ]

<京都11R・天皇賞春>スティッフェリオとの叩き合いを制し天皇賞・春連覇を果たすフィエールマン(手前)(撮影・亀井 直樹)
Photo By スポニチ

 普段、家族で競馬場を訪れる機会は案外少ない。その意味で17年の天皇賞・春は貴重かつ忘れ難い思い出になっている。

 子供2人を連れて京阪電車に乗り、好天の京都競馬場でライブ観戦。単独先頭で直線躍り出たキタサンブラックに7万7千大観衆がドッと沸く。興奮した息子たちはワケも分からず、何か叫んでいる。3分12秒5の驚異的なレコード決着。馬券は外れたが、子供たちにとって、素晴らしい経験になったと思う。

  ◇  ◇  ◇

 あれから3年。誰が無観客の天皇賞など想像できただろうか?「緊急事態宣言」はいつ解除されるか分からない厳しい状況。競馬がやれている奇跡、僥倖(ぎょうこう)を噛みしめ、今年は自宅観戦(テレワーク)での天皇賞・春となった。

 我が本命ダンビュライトはハナにこそ行けたが道中キセキに主導権を奪われる苦しい展開。直線も伸びあぐね9着に終わった。対抗スティッフェリオが健闘したが、△→○の印では話にならない。

 休養明けのビハインドをハネのけ、史上5頭目の天皇賞・春連覇を果たしたフィエールマンの強さには脱帽するしかない。最後クビの上げ下げでハナだけ押し出したルメールの騎乗もさすがの一語だった。

 しんと静まりかえったスタンドの映像が胸に突き刺さる。それでも全国から数十万、百万もの視線が注がれたと思うと感慨深い。

 無観客競馬は続く。

 「あの年の天皇賞はコロナで自宅観戦だったナ」と笑って振り返られる日が来ることを切に願う。(5月3日、大阪本社・オサム@大阪市内の自宅) 

続きを表示

2020年5月3日のニュース