【大阪杯】クロノジェネシス100点!女王リスの風格、バランスは抜群

[ 2020年3月31日 05:30 ]

リスグラシューと同じような名馬への条件を兼ね備えているクロノジェネシス(撮影・亀井 直樹)
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 繁殖入りしたリスグラシューが現役復帰!?鈴木康弘元調教師(75)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。第64回大阪杯(4月5日、阪神)ではダノンキングリーと共にクロノジェネシスに満点をつけた。達眼が捉えたのはリスグラシューと初対決させたい名牝の相だ。4月1日はエープリルフール。嘘(うそ)をついてもいい日にちなんで有力候補のボディーも嘘話で解説していく。

 仰天ニュースが飛び込んできたのは筑波の自宅で大阪杯出走馬の写真にルーペを向けている時でした。昨年の有馬記念優勝を最後に引退、繁殖入りした女王リスグラシューが今春の宝塚記念で電撃復帰の一報。ネタ元は明かせませんが、信頼できる情報筋によれば、大阪杯を勝って宝塚へ駒を進めるであろうクロノジェネシスと“新旧女王対決”に臨むとか…。

 もちろん、根も葉もないホラ話です。明日はエープリルフール。毎年4月1日には嘘を楽しむ風習が残る英国の大衆紙はこの日になると、83年に誘拐され行方不明となった英ダービー馬シャーガーに関する仰天ニュースを報じてきました。「シャーガーが見つかった。元気に調教をやり直して7月のキングジョージで復帰」。そんな伝統の嘘に倣ってリスグラシューの復帰話をお届けしました。

 ただし、大阪杯を勝って宝塚へ駒を進めるであろうクロノジェネシス…のくだりは嘘とも言えません。その成長力に富んだ芦毛を見ると、現実味を帯びてくる。昨春の桜花賞、オークス(ともに3着)時には430キロ台前半だった馬体重が30キロ近く増えています。骨格はスリムでも全体のバランスが非常に整っている。トモのパワーを受ける飛節から球節、つなぎ、蹄まで各部位が過不足ない大きさと絶妙な角度でリンクされています。肩と腰の筋肉は柔らかくて弾力性もある。疲れがたまりづらい筋肉です。

 四肢には腱がしっかり浮き出ています。健康で丈夫な脚元。加減せずに調教を積めます。その四肢でゆったりと大地をつかむ立ち姿には余裕を感じさせる。物事に動じない歴戦の牡馬のような風格。強い精神力をそのたたずまいにのぞかせています。「柔軟な馬体」「丈夫な脚元」「強い精神力」は大成するための条件。リスグラシューもこの3大条件を備えていました。3歳クラシックは細くても柔らかいトモを駆使して大善戦。トモに幅が出た5歳でG13連勝を飾った。クロノジェネシスもスリムな体に幅が出てくれば、リスグラシューの後継牝馬になるでしょう。

 嘘から出たまことと言います。嘘で指摘した内容が図らずも真実になる。仰天ニュースが伝えるクロノジェネシスの真実とは…。新型コロナウイルスを巡るフェイクニュースは断じて許されませんが、害のない嘘を楽しむのがエープリルフール。大阪杯を勝って宝塚へ…のシナリオも嘘から出たまことか。(NHK解説者)

 ◆鈴木 康弘(すずき・やすひろ)1944年(昭19)4月19日生まれ、東京都出身の75歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70~72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許取得、東京競馬場で開業。94~04年に日本調教師会会長を務めた。JRA通算795勝、重賞はダイナフェアリー、ユキノサンライズ、ペインテドブラックなど27勝。19年春、厩舎関係者5人目となる旭日章を受章。

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