【競馬学校卒業式】脩斗 亡き母に「活躍」届ける!父は元騎手・小林久晃氏

[ 2020年2月12日 05:30 ]

<競馬学校卒業式>母・優子さんの遺影を手に父・小林久晃助手(左)と記念撮影におさまる小林脩斗(撮影・郡司 修)
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 JRA競馬学校騎手課程36期生の卒業式が11日、千葉県白井市の同校で行われた。同日発表された20年度新規騎手免許試験に合格した秋山稔樹、泉谷楓真、小林脩斗、原優介の4人が晴れの式典に臨んだ。

 小林脩の父は元JRA騎手(10年引退)で現在は調教助手の久晃氏(44)。幼少期から競馬は常に身近な存在。父に憧れて騎手を目指し、小学6年で乗馬を始めた。父子鷹の記念撮影。その手には遺影があった。母・優子さんは昨年10月、病気のため44歳の若さで他界。夢をかなえた孝行息子は「母はいつも“自分の決めた道。どんなにつらくても目標に向けて努力しなさい”と言っていた。きっと僕の活躍を楽しみにしてくれている。努力して信頼される騎手になって、いい報告がしたい」と誓った。

 父・久晃氏は騎手になることを最初は反対したという。「厳しい世界だし、どうせ口だけと思っていた。でも乗馬を一日も休まず頑張った」とたくましく成長した息子を評価。「まだスタートラインにも立っていないが、父親としてはホッとした。妻も見守ってくれているし、この試練が彼を強くすると思う」と涙をこらえた。

 模擬レース9戦の総合ポイントで争う「競馬学校チャンピオンシップ」は泉谷が優勝。騎乗技術優秀者に贈られる「アイルランド大使特別賞」も受賞した。4人には3月1日付で騎手免許が交付され、同日以降に順次デビューする。

 ◆小林 脩斗(こばやし・しゅうと)2001年(平13)11月8日生まれ、茨城県出身の18歳。美浦・奥平厩舎所属。目標の騎手・モレイラ。特技・スキー。1メートル65、45・8キロ。

 ▼秋山稔 実家が中山競馬場に近く、両親も競馬が好きなことから騎手を目指すようになった。厳しい世界に入っていくので、感謝の気持ちを忘れず、しっかりと精進したい。
 ◆秋山 稔樹(あきやま・としき)2001年(平13)9月12日生まれ、千葉県出身の18歳。美浦・蛯名厩舎所属。目標の騎手は武豊。特技・柔軟。1メートル55、45キロ。

 ▼泉谷 小学生の頃、小倉競馬場で、騎手を見て憧れた。卒業できてホッとしている。実際のレースに乗るのが楽しみ。常に向上心を持って、一頭一頭に携わる人々の思いを大切に乗っていきたい。
 ◆泉谷 楓真(いずみや・ふうま)2001年(平13)12月18日生まれ、山口県出身の18歳。栗東・本田厩舎所属。目標の騎手・四位洋文。特技・スノーボード。1メートル67、47.1キロ。

 ▼原 2歳から水泳をやっていたが、高校1年で壁に当たり、ネットで将来の職業を探していて競馬に巡り合った。馬を追う動作に、水泳で培った肩甲骨の柔らかさが生きた。固定観念にとらわれず、その馬のポテンシャルを引き出せる騎乗をしたい。
 ◆原 優介(はら・ゆうすけ)2000年(平12)6月10日生まれ、東京都出身の19歳。美浦・武井厩舎所属。目標の騎手・津村明秀。特技・水泳。1メートル58、47キロ。

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