【ホープフルS】ヴェルト90点 トゲあるリース、きつい気性も気負いゼロ

[ 2019年12月24日 05:30 ]

きつい気性も気負いゼロなヴェルトライゼンデ(撮影・亀井 直樹)
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 ヴェルトライゼンデは有馬記念で3着に入ったワールドプレミアの半弟にあたります。でも、顔は全然似ていない。穏やかな風貌の兄とは対照的にこちらはきつ過ぎる。鋭い目、鋭利な耳の立て方、とがらせた鼻。クリスマスリースに使われる柊(ひいらぎ)の鋭利なトゲのようなステイゴールドの鋭い顔(「ステイづら」と呼んでいる)を想起します。ハミの取り方も尾の垂らし方もごく自然なので気負っているわけではない。きつい気性が顔に表れているのです。

 “異父兄弟”の気性の違いは父の違いに起因している。兄の父はディープインパクト、ヴェルトライゼンデの父はドリームジャーニー(ステイゴールド産駒)。祖父の激しい気性とそのカン性が表れたステイづらを受け継いでいるのです。孫の顔を見ただけで祖父が分かるほど、柊みたいなカン性の血は濃い。

 ただし、馬体はステイらしくありません。この父系は細身でも気で走る傾向が強いが、ヴェルトライゼンデは体も立派。肩の筋肉が大きく、トモも発達している。球節、つなぎに余裕が欲しいが、飛節は角度も良く、トモのパワーを推進力に変えています。ステイの気性にステイらしからぬ肉体が加われば鬼に金棒。来春を待たず、この冬にも素質を実らせるかも。冬に赤い実を付ける柊のように。

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2019年12月24日のニュース