【アイビスSD】ライオン、新潟3戦3連勝!千直キングだ

[ 2019年7月29日 05:30 ]

<アイビスSD>1番人気に応えてレースを制した田辺裕信騎乗のライオンボス(左)(撮影・西川祐介)
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 新潟競馬場名物の“千直重賞”「第19回アイビスサマーダッシュ」が28日、行われ、断然の1番人気ライオンボスが3連勝で重賞初制覇を決めた。単勝配当190円は同レース史上最低払戻金額。2戦連続しんがり負けを味わい、僚馬の二刀流・オジュウチョウサンに鍛えられた4歳馬がついに頂点を極めた。

 百獣の王は全力で敵を仕留めにいった。スタート直後、ライオンボスは一気に外ラチへ。だが、そこにはすでにオールポッシブルが。馬体を併せてプレッシャーをかけ、ジリジリと前へ。ついに外ラチを取り切った。前日27日に落馬負傷した鮫島駿に代わってテン乗りの田辺は「人気を背負っているから、それを負かそうとする馬がいる。楽な競馬ではなかった」。インのカッパツハッチを半馬身振り切る。力でねじ伏せた。

 希代の二刀流・オジュウチョウサンも管理する和田正師が目を細めた。「人気を背負って厳しいレースになったが、よく頑張ってくれた」。今年は2戦連続16着のしんがり負けからスタート。プロ野球なら戦力外通告ものだが、初めて使った5月の千直競馬で一変した。衝撃の千直3連勝。競馬史に残る超スペシャリストが誕生した。

 激変の理由を指揮官は分かりやすく説明した。「調教でオジュウと併せたのが効果的だったのかもしれない」。今年3月、阪神スプリングJに臨むオジュウチョウサンの併せ馬の相手に指名された。先導して併入し、オジュウに乗った石神に「併せた相手も走る」と言わせた。「厩舎の先輩に胸を借りて“自分もスペシャリストとして頑張ろう”と思ったのかもしれない」。ユーモア交じりながら半分は本音。障害重賞11勝。有馬記念(9着)にも出走した競馬界の至宝に薫陶を受け、高みへとたどり着いた。

 さあ、次走をどうするか。師はスプリンターズS(9月29日、中山)も選択肢とした上で「ダートなど他の条件でもやれなくはないかなと思っている。様子を見てゆっくり考えたい」。若き獅子は越後路で吠え、厩舎の看板オジュウチョウサンは明確なローテーションが決定した。個性派2枚看板を擁する和田正厩舎が、この秋の話題の中心だ。

 ◆ライオンボス 父バトルプラン 母ウーマンインレッド(母の父ステイゴールド)牡4歳 美浦・和田正厩舎所属 馬主・㈲和田牧場 生産者・北海道新冠町の対馬正氏 戦績13戦5勝 総獲得賞金9372万8000円。

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