【弥生賞】皐月へ新星現る!8番人気1勝馬テンゲンV

[ 2019年3月4日 05:30 ]

<弥生賞>レースを制したメイショウテンゲン(手前)(撮影・郡司 修)
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 荒れまくる道悪競馬。泥田のようにぬかるむ馬場の大外から飛んできたのは、雨と汗で薄桃色に染まった芦毛のダークホースだ。桃の節句にふさわしい8枠ピンクの帽色に桃袖、桃襷(たすき)の「メイショウ」の勝負服。インで伸びあぐねるニシノデイジーなど有力馬を横目に桃尽くしの8番人気メイショウテンゲンが喜々としてストライドを伸ばす。こっそり蹄に水カキでも装着したかのようにノメらず1馬身半突き抜けた。 レース結果

 「雨が味方してくれました。お母さん(メイショウベルーガ)は道悪が得意でしたが、この子も全く気にしなかった」。高額配当を知らせる場内アナウンスにスタンドから絶叫とため息が交錯する中、母馬の主戦も務めた池添が口火を切った。「前走(きさらぎ賞5着)は切れ負けしたので早めに動いていこうと…。直線でフラフラしていたように子供っぽさが残っている。もっと良くなる余地があります」と母譲りの芦毛に頼もしげな視線を向けた。

 メイショウベルーガと言えば、5歳で重賞初制覇(日経新春杯)を飾った晩成型。G1はエリザベス女王杯2着が最高だったが、池添騎手、池添兼師の父子コンビで中長距離重賞路線を歩み、京都大賞典では牡馬を一蹴した。そんな女傑も管理した池添兼師は「馬場が悪くて時計がかかったのが勝因にしても、最後までよくこらえてくれた。まだ弱いところがあるが、お母さんも遅咲きだったからね。きつい気性も母譲り。これからだよ」と笑った。

 父ディープインパクト、母の父フレンチデピュティの配合は13年カミノタサハラ、16年マカヒキ、17年カデナに続き弥生賞4勝目。1勝馬の弥生賞制覇はグレード制導入の84年以降、87年サクラスターオー(後の皐月賞、菊花賞馬)、96年ダンスインザダーク(菊花賞馬)以来3頭目だ。WIN5がキャリーオーバーになるほど荒れた桃の節句に頭角を現した道悪の鬼。その先にはピンク色の明るいクラシックロードが待っている。

 ◆メイショウテンゲン 父ディープインパクト 母メイショウベルーガ(母の父フレンチデピュティ)牡3歳 栗東・池添兼厩舎所属 馬主・松本好雄氏 生産者・北海道浦河町の三嶋牧場 戦績6戦2勝 総獲得賞金6961万4000円。

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