【フェブラリーS】菜七子、初G1の相棒・キッキング大解剖

[ 2019年2月5日 05:30 ]

コパノキッキング
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 藤田菜七子(21)が歴史的参戦を果たす「第36回フェブラリーS」(17日、東京)。JRA女性騎手史上初のG1騎乗とあって大きな話題を集める中、“相棒”となるコパノキッキング(セン4=村山)も注目度大の個性派ホースだ。JRA唯一のスプリングアトラスト産駒のハイブリッドな血統を、本紙コラムでおなじみのサラブレッド血統センター、藤井正弘氏(56)が徹底解説。距離OK、勝機十分との見解を示した。

 コパノキッキングは17年のファシグティプトン社フロリダセールで購買された米国産馬。デピュティミニスター系シルヴァーデピュティ産駒の父スプリングアトラストは、日本から同じデピュティミニスター系のクロフネ産駒フサイチリシャールが参戦(6着)した07年のG2ゴドルフィンマイルの勝ち馬で、翌年に自国米国のG1ドンHを制した。

 米国で6年間供用された後、15年の種付けシーズンからサウジアラビアにトレードされており、コパノキッキングは米国産最終世代ということになる。ちなみにこの父の日本での血統登録産駒は、他に繁殖牝馬として輸入された北米G2勝ちのシーニーンガールのみ。おそらくコパノキッキングが父にとって最初で最後の日本調教馬となるだろう。文字通りの“一点物”を10万ドル(約1100万円)という掘り出し価格で手に入れたオーナーの引きの強さには恐れ入る。

 アイルランド産の3代母シャロンは現G1のコロネーションSなど英国のGレースで3勝を挙げたマイラー。仏ダービー馬ダルシャーンを父に持つ祖母のシャルナは、90年代にタニノクリエイト(神戸新聞杯)、アロハドリーム(中京記念、函館記念)と2頭の重賞勝ち馬を出した輸入種牡馬クリエイターの半妹で、繁殖牝馬として輸入されて函館2歳S勝ちのモエレジーニアスを産んでいる。この祖母がサンデーサイレンス後継の成功種牡馬ゴールドヘイローを受胎して輸出先の米国で産んだ“持ち出し馬”が母のセラドンだった。

 つまりコパノキッキングは、米国産の(外)でありながら母の父は日本産で近親に日本のグレード勝ち馬がいて、しかも牝系のルーツは欧州にあるという血統的には極めて珍しいハイブリッドの産物なのである。それゆえに日本のダートコースへの適性を含め、単なる変わり種にとどまらない高性能が装備されたとも考えられるだろう。

 フェブラリーSはデビュー10戦目で初体験となる1600メートル戦だが、父が制したG1ドンHはダート9ィ戦で、母の父ゴールドヘイローの代表産駒トウケイヘイローは札幌記念などGレース4勝、G1香港カップ2着の中距離馬だった。少なくとも血統の字面からは十分に守備範囲といえる。快進撃はまだ続く可能性大だ。

(サラブレッド血統センター)

 ◆藤井 正弘(ふじい・まさひろ)1962年(昭37)2月17日生まれの56歳。オグリキャップがデビューした87年にサラブレッド血統センター入社。以来、一貫して「競馬四季報」編集に携わる傍ら、血統コラムニストとして「優駿」「週刊競馬ブック」などに執筆。本紙予想コラム「血統は語る」は95年、同じく週中の血統コラム「The Blood」は01年からの長期連載。

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