【天皇賞・秋】リチャード95点 厚み際立つ上半身は“北岳”

[ 2018年10月23日 05:30 ]

飛び抜けた上半身が“南アルプスの盟主”北岳のようなスワーヴリチャード
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 富士山に次ぐ日本第2の高峰といえば“南アルプスの盟主”北岳。南北に連なる白根山系の北端に位置することから名付けられた南アルプスの盟主には87年、皇太子さまも登頂されるなど登山家の憧れです。

 スワーヴリチャードの厚みが際立った上半身は北岳の尾根を想起させます。東側斜面にある大岩壁のように筋肉で盛り上がったトモや肩。臀部(でんぶ)には幅と弾力性がある。北岳山頂部の険しい山容のようなキ甲の発達に伴って、背中から腰にかけて流れるような稜線を描いています。首が太くて、腹袋も立派。南アルプスの盟主になぞらえられる威容です。

 飛び抜けた上半身に比べて、下半身はいささか頼りなく、硬い印象を受けます。細い管囲、立ち気味のつなぎ。左前の膝は反り気味です。前肢の蹄は左右で角度と大きさが異なり、右側のほうは小さめ。G1時の馬体撮影でいつも遠慮がちに前肢を地に置く立ち姿は、前肢の硬いつくりからきているのでしょう。そんな下半身を見ていると、地層が反りやすい褶曲(しゅうきょく)構造で知られる北岳を思い出します。左右の回りに得手不得手がある馬は、前肢が硬くて手前(軸脚)転換にスムーズさを欠くケースが多い。スワーヴリチャードも3歳時は左回りに比べて右回りの走りがひと息でした。

 ただし、今回は前肢の硬さが以前ほど目立たない。立ち方にも少し余裕が生まれてきたように映ります。休養でリフレッシュした効果なのか。大阪杯、安田記念時には右前蹄の内側後方をエクイロックス(接着装蹄)で固めていましたが、今回は取れている。右前蹄の欠損がなくなったのでしょう。不安のない蹄で迎えられる大一番。赤富士に唯一、拮抗(きっこう)できる“南アルプスの盟主”です。

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2018年10月23日のニュース