「日本でG1に乗る」夢かなったクリッパートンの挑戦

[ 2018年6月1日 05:30 ]

ボウマンの代役でウエスタンエクスプレスに騎乗するクリッパートン(撮影・平松さとし)
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 【競馬人生劇場・平松さとし】この4月にオーストラリアにあるワイオング競馬場を訪れた。その際、一人のジョッキーのことを思い出した。

 サム・クリッパートン(24)。

 シドニー生まれの彼が騎手としてデビューしたのは2010年。それがこのワイオング競馬場だったのだ。「5歳で初めてポニーに乗り、その後、ショージャンピング(馬術)でチャンピオンライダーになれました。その頃から自然と騎手になりたいと思うようになったので、夢がかなった時のことは今でも忘れません」

 やがて勝ち鞍が増えだすと、ゴドルフィンからも騎乗依頼が舞い込むようになった。13〜14年シーズンにはシドニー地区では20年ぶりとなる2度目の見習チャンピオンの座を獲得した。14〜15年シーズンは81勝を挙げ、リーディング争いに食い込んだ。

 16年には、クールモアクラシックやオールエイジドSといった現地では名のあるG1に優勝。リーディングトレーナーの一人でもあるG・ウォーターハウス調教師からの依頼も受けるようになった。

 私が彼と知り合ったのはそんな時。当時彼は「香港で免許を取ることと日本でG1に乗ることが目標」と語っていた。その後、香港での免許は取得。そこをベースに騎乗すると、宝塚記念での来日が決まったワーザーのセカンドジョッキーとなるなど活躍してみせた。

 今週、安田記念に挑戦するウエスタンエクスプレスはH・ボウマンが騎乗予定だったが騎乗停止になると、クリッパートン騎手が前走に続き乗ることとなった。また一つ、夢をかなえることになったわけだ。

 ワイオング競馬場でのデビュー戦は「その日の最終レースだったので、一日中ドキドキしっ放しだった」と言う。今回も安田記念の日の騎乗はその1鞍。経験を積んだ彼はどんな気持ちで一日を過ごし、どんな結果を導くだろう?注目したい。

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2018年6月1日のニュース