【安田記念】連闘のモズアスコットに“巡ってきたチャンス”

[ 2018年6月1日 05:30 ]

坂路でキャンター調整するモズアスコット
Photo By 提供写真

 【G1ドキュメント・栗東=31日】最大のチャンスが巡ってきた。矢作厩舎はリアルスティール、リスグラシュー、モズアスコットの“3本の矢”で頂点を狙う。「安田記念は悔しい思い出しかないからね」。10年スーパーホーネット2着に始まり、12、14年のグランプリボスも2着。3度も涙をのんだ。追い切り後の会見でトレーナーは「勝ちたい気持ちは日本一。今年こそは」と意気込みを語っていた。実績を見れば上位独占は十分。細原は3頭の直前気配をくまなくチェックした。最も気になったのが、連闘で挑むモズアスコットだ。

 重賞初挑戦だった昨年暮れの阪神C4着。年明けの重賞2戦も一線級相手に連続2着と、高いポテンシャルを秘めている。1週前登録では賞金次点。そのため陣営は連闘を見据え、先週の安土城Sで賞金加算を狙った。「急仕上げで正直七分の出来。負けたけど最後は凄い脚だったし、内容は悪くなかった」(矢作師)。スタート出遅れが響き、2着に敗れ加算失敗。週中まで夢はついえていたが、藤沢和厩舎3頭の回避により直前で出走がかなった。「持っているのか、持っていないのか」。複雑な思いを口にしながらも、担当の玉井助手の表情は明るい。

 「今朝は坂路(4F65秒9)で乗ったけど、テンションは高くなかった。思ったよりダメージは少なく雰囲気はいいです。状態面を考えたら“ぶっつけ”は厳しかったと思うし、結果的に1度使えたのは良かったんじゃないですかね」

 84年のグレード制導入後、連闘で安田記念を制したのは89年バンブーメモリーだけ。後方一気の末脚で波乱を演出した。アスコットも父フランケル譲りの剛脚の持ち主で、鞍上も大舞台に強いルメール。細原は取材メモの気配項目に◎を打った。

続きを表示

2018年6月1日のニュース