【フェブラリーS】リッキー100点 筋肉の鎧まとって後続馬を蹴散らす

[ 2016年2月17日 05:30 ]

コパノリッキー

 ダート王決定戦は“3強”だ。昨秋のG1予想で100点満点を与えた馬の複勝率90%超えの大ヒットを飛ばした鈴木康弘元調教師(71)がG1有力候補の馬体を診断する「達眼」。第33回フェブラリーS(21日、東京)では3頭を満点採点した。“仁王”の風格が増したコパノリッキー、神獣“麒麟(きりん)”を思わせるノンコノユメ、“スーパーマン”級のモーニン。3強は実力とともに馬体もぶっちぎりだ。

【フェブラリーS】

 首差しからお尻までパワーの塊。コパノリッキーはダートを走るために生まれてきたような馬体をしています。特筆すべきは肩の筋肉。極端に盛り上がっているためキコウ(首と背中の間の隆起した部分)が抜けていないようにさえ映ります。キコウは遅くとも4歳までに抜けてくるもの。この砂の王はすでに6歳。年齢的にとっくに抜けているはずですが、盛り上がった肩の筋肉がキコウを覆い隠しているのです。

 トモには鎧(よろい)をまとったような分厚い筋肉。530キロの雄大な馬体を支える骨組みも強固です。膝や飛節は大きく、両前の球節もしっかりしている。全ての筋肉、節々がパワーに満ちた砂の申し子です。

 前回G1(昨年のチャンピオンズC)の馬体写真と比較すると、仕上げの変化に気付きます。やや余裕のあった腹周りがすっきりとしてきました。立ち姿からは前回以上の落ち着き。目を見開き、鼻の穴もしっかり開いている。まるで寺院の門の左右に立っている仁王像の風格。体も仁王像の裸身のように引き締まり、筋肉だけが隆起しています。来るなら来い!競りかけてくる後続馬を一喝する覇気にあふれた砂の仁王です。

 ◆鈴木 康弘 1944年(昭19)4月19日、東京生まれの71歳。早大卒。69年、父・鈴木勝太郎厩舎で調教助手。70~72年、英国に厩舎留学。76年に調教師免許を取得し、東京競馬場で開業。78年の開場とともに美浦へ。93~03年には日本調教師会会長を務めた。JRA通算795勝、重賞はダイナフェアリーなどで27勝。

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2016年2月17日のニュース