【芦屋・チャレンジC】笠原10年ぶりSG制覇!05年以来GP切符獲得

[ 2015年11月30日 05:30 ]

優勝し、カップを手にする笠原

 芦屋ボートのSG「第18回チャレンジカップ」は29日、12Rで優勝戦が行われた。1号艇の笠原亮(35=静岡)が逃げ切って快勝。05年の多摩川クラシック以来10年ぶり2回目のSG制覇を達成した。優勝賞金2500万円を手に入れ、賞金ランキングは19位から9位に浮上。グランプリ(12月18~23日、住之江)出場権を獲得した。

 これぞ「泰然自若逃げ」というような勝ちっぷり。誰が出ていようが誰が何コースに入ろうが笠原には関係ない、動じない。コンマ16の教科書のような踏み込みから握りマイでバックに出ると、グイグイ後続を引き離し独走態勢へ。10年ぶりVの瞬間もガッツポーズはなし。周囲をきょろきょろと見回し、勝って当然といったようにゴールした。

 ピットに戻ると感情がこみ上げ涙が出たが、すぐさまぬぐって淡々と喜びを口にするのが、この男。第一声で「信じられない」と言うが、「無」の境地を極めたかのような表情からは伝わって来ない。ただ「優勝することしか考えてなかったし今日1日、いつも通り過ごせた。ピット離れに足と、安心できていたし緊張もなかった。1Mを回った時は気持ち良かった」と相当な自信はあったようだ。

 水上ではキレのあるターンで好着を並べるが陸上では常にポーカーフェース。多くを語らないが、静岡の先輩・坪井は「亮は常に己を信じているし精神が強く、絶対にぶれない」と証言。同期の中島孝平も「とにかくうまい。わが道を行くタイプだしまあ勝つでしょう」と予言していた。

 A2落ちと低迷する時期もあったが、これで今年9V。ノリノリのまま賞金ランク9位で05年以来となる住之江グランプリに乗り込む。「自分がどう調整するかだけ。相手は関係ないし、人じゃないんです」と敵を己を見定めた。平常心に加え克己心を持ち合わせるずぶとい男が、脱力感満点で年末を盛り上げてくれそうだ。 

 ◆笠原 亮(かさはら・りょう)1980年(昭55)1月19日生まれ。静岡支部所属の35歳。99年に84期生として浜名湖でデビュー。通算4124戦1184勝。今回が43回目の優勝となった。05年多摩川クラシックでSG初優勝。G1は05年びわこ周年など通算3V。グランプリは05年に出場しファイナル進出を果たしている。同期に中村有裕、中島孝平、向井美鈴ら。

 ◆次走 笠原亮の次走は12月5日からの桐生一般戦。勝野竜司、大沢普司、原田篤志らと優勝を争う。太田和美、石野貴之、吉田拡郎の次走は12月3日からの平和島G1トーキョー・ベイ・カップ。今垣光太郎、松井繁、浜野谷憲吾らが参戦。守田俊介の次走は12月9日からのびわこG2秩父宮妃記念杯。今村豊、深川真二、中野次郎らが出場。辻栄蔵の次走は12月9日からの大村G2モーターボート誕生祭。原田幸哉、瓜生正義、坪井康晴らとVを争う。

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