【札幌記念】ダービーフィズ 急死の伯父カフェへ手向けV贈る

[ 2015年8月19日 05:30 ]

重賞連覇に挑むダービーフィズ

 サマー2000シリーズ第4戦「第51回札幌記念」に出走するダービーフィズは、母が13日に死んだマンハッタンカフェの全妹。北海道初参戦の前走・函館記念Vで一族に流れる高い洋芝適性を示し、返す刀で重賞連覇に挑む。勝てばシリーズ制覇が決定。天国の伯父に手向けの勲章を贈るつもりだ。

【札幌記念】

 不思議な巡り合わせを感じずにはいられない。G1・3勝のマンハッタンカフェが死んだ翌週、近親ダービーフィズが札幌記念に出走。マンハッタンカフェを手掛けた小島太師は「それは関係ない。無理にこじつけたって駄目だよ」と最初は軽く受け流したが、やはり「最高、最良のパートナーだった」と振り返る名馬への思い入れは強い。「マンハッタンもここからだったからね」。14年前の夏へと時を巻き戻した。

 マンハッタンカフェは3歳春のクラシックには出走かなわず、夏に札幌で500万、1000万を連勝。秋の菊花賞制覇へとつなげた。ダービーフィズの母マンハッタンフィズはその3歳下の全妹。産駒はアプリコットフィズが10年クイーンS(札幌)を制している。師は「(この血統は)パワータイプじゃなくて軽い走りをするんだけど、洋芝をこなすね」と一族の高い洋芝適性を感じ取っている。

 ダービーフィズも前走・函館記念でそれを証明。3角で内から上昇して直線の追い比べを制し、重賞初制覇を果たした。その後は社台Fへの放牧を挟んで札幌入り。16日にはダートコースで4F57秒6~1F13秒5と時計を出した。火曜朝はダートコースで調整。師は「11日に社台でやって、元気がいいので週末もやった」と順調な臨戦過程に満足げ。「ゆかりの血統で期待が大きかったのもあるけど、条件馬だった頃からG3でやれないわけはないと思っていた。奥手で、5歳にして完成してきた」と本格化に目を細める。

 鞍上は重賞騎乗機会5連勝中と絶好調の岩田。師は「前走は鞍上もうまく乗ってくれた。この前のような競馬ができれば」と期待を寄せる。勝てばサマー2000シリーズ最終戦を待たずに王者が決まる一戦。夏の札幌から秋のG1へ。伯父の歩んだ道を行く。

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