万感56年、加藤峻二氏ファンに涙の別れ 地元・戸田で引退セレモニー

[ 2015年6月1日 05:30 ]

引退パレードで、競走水面からスタンドのファンに向かって手を振る加藤峻二さん

 5月7日に引退した元現役最年長ボートレーサー・加藤峻二氏(73=埼玉)が31日、地元の戸田ボートで引退セレモニーを行った。

 選手生活56年、レジェンドが初めて泣いた。トークショーでは800人収容のイベントホールからあふれ出るほどの人だかり。「感無量。胸がいっぱい。少し引退が早かったかな」とファンの笑いを誘った。その後も時折、ジョークを交える和やかムード。「最も思い出に残っているレースは(今年)5月1日のフライング。この最年長F記録は破られないでしょう」。引退を決意させたスタート事故も冗談に変え、会場は爆笑の渦に包まれた。

 だが笑顔はここまでだった。競走水面で行われた引退パレード。加藤氏が最も愛した地元ファンから手を振られると涙腺が崩壊した。「皆さまの温かいご声援と叱咤(しった)激励が勇気と力を与えてくれた。本当に厚く御礼申し上げます」。声を震わせ、頬を大粒の涙が伝った。「涙は我慢したかったが無理だった。レース場で怒ることはあったが泣いたのは初めて。うれしくて言葉が出ない。戸田のファンは最高」。その後、1000人近いファンと握手を交わし、感謝の気持ちを伝えた。誰よりも長くボートレースを愛し続けた伝説の男。最後はファンの愛に包まれ、水上の戦いに別れを告げた。

 ◆加藤 峻二(かとう・しゅんじ)1942年(昭17)1月12日生まれの73歳。元埼玉支部所属。59年7月デビューの5期生で15年5月7日引退。現役の同期生はいない。10年殿堂入り。通算成績は1万4652戦3294勝、120V。SGは3V。G1は20V。生涯獲得賞金は16億3575万9463円。1メートル63、50キロ。血液型A。

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