【日本ダービー】ブラック 清水久師、スタッフとの絆を胸に…いざ!

[ 2015年5月28日 05:30 ]

清水久師

 ダービーとはホースマン誰もが憧れる競馬の祭典。開業7年目、キタサンブラックで初めてダービーに挑む清水久師は、「感謝の気持ち」を抱いて臨む。

 その思いはトレセン駆け出し時代に由来する。いまから17年前の98年。当時、清水久師は浜田光正厩舎の調教助手。担当していたファレノプシスが武豊の華麗な手綱さばきに導かれて桜花賞で先頭を駆け抜けた。厩舎に所属してわずか10カ月でのG1勝利だった。

 「トレセンに入ったばかりで、右も左も分からないまま大舞台に立っていましたね」

 師匠である浜田元調教師からさまざまなことを教わった。「余計な口出しをせず、僕たちスタッフを信頼して任せてくれた」。任せてくれた信頼に応えるべく懸命に仕事して、ファレノプシスはその後のオークス3着、秋華賞1着で牝馬2冠を達成。00年のエリザベス女王杯で有終の美を飾った。調教師―スタッフに結ばれる“信頼関係”こそ重要。その思いが、今の清水久厩舎でも礎となっている。

 調教師として臨むダービー。キタサンブラックについてもスタッフを信頼し、任せるべきところは任せてきた。

 「調教師になって、こんなに早い時期に出走できるとは。オーナー、スタッフに感謝したい。結果を残して恩返しできれば最高ですね」

 挑戦者として厩舎一丸で挑む大舞台。若き指揮官の表情に不安の色はない。

 ◆清水 久詞(しみず・ひさし)1972年(昭47)7月4日生まれ、大阪府出身の42歳。97年7月から栗東・浜田光正厩舎(09年引退)に入り調教助手などを務める。98年の桜花賞などG13勝を挙げたファレノプシスを担当。09年6月から厩舎開業。JRA通算114勝(うち重賞6勝、27日現在)。

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2015年5月28日のニュース