【皐月賞】熱いエイリアンと“大学生”黒岩師のG1初挑戦

[ 2015年4月16日 05:30 ]

Wコースで3頭併せて追い切るミュゼエイリアン(右)

 【G1ドキュメント=15日】皐月賞の公開調教で美浦トレセンを訪れた女性ファンが不思議そうな顔を浮かべている。「記者の方々に囲まれているあの若い人、誰?」。ミュゼエイリアンの黒岩師だと聞かされると、「ウソー!」と驚きの声を上げた。バッグを斜め掛けにした34歳の童顔トレーナー。「あの格好は調教師というより大学生だよな」。その姿を目にした師匠格の藤沢和師は笑い転げながら、長老記者の梅崎にこう漏らした。「でも、頭の回転はとんでもなく速い。熱くならずどこまでも冷静に馬を把握できる。かなわないよ」

 師匠の評価通り、黒岩師は会見でクールに現状を分析した。「粗削りでも能力を感じていたので2歳時からあえて強い馬にぶつけてきた。今度はさらに相手が強くなるが、中山なら立ち回りのうまさを生かせる。有利な舞台です」。追い切りの動きも非の打ちどころがない。Wコースでシャトルアップ(7歳1600万)との併せ馬。6馬身後方を追走し、内から余力たっぷりに半馬身抜け出した。「硬さがなく、脚を伸ばした大きな走り。毎日杯から中2週…馬の体調に合わせて使いたかったので出否は1週間保留にさせてもらいましたが、体の回復が早かった」

 競馬学校入学までの2年間、トレセン近郊のミホ分場で藤沢和師に“帝王学”を叩き込まれ、12年に平成の最年少記録となる31歳で調教師免許を取得した黒岩師。開業4年目のG1初挑戦から目が離せない。

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