【大阪杯】ルメール ツイート事件から1カ月、ヤル気MAX“デビュー”

[ 2015年4月3日 05:30 ]

ラキシスで重賞Vを予告する?!ルメール

 今年3月からJRAの通年免許を取得していたクリストフ・ルメール(35)が、待望の“デビュー”を迎える。調整ルームにおける携帯電話使用で30日間の騎乗停止となったためデビューが遅れたが、汚名返上へ充実のラインアップ。大阪杯ではラキシスとのコンビで早速、重賞制覇を狙う。

【大阪杯】

 待ちに待った週末がやって来た。先月1日にJRA所属騎手になったものの、デビュー予定日から30日間の騎乗停止処分を受けたルメールが、4日からレースに騎乗する。レースには乗れなくても毎週、栗東で調教に騎乗。今週に備えてきた。

 「3月にデビューできなくて申し訳ない気持ちだった。この1カ月は長かった。早く乗りたかった。デビューの日を迎えることができて、とてもうれしい」

 02年に短期免許で初めて来日して以降、すっかりおなじみの存在。一日でも早く環境にとけ込めるよう努力を重ねてきた。昨年11月24日に落馬負傷(右脛=けい=骨骨折など)してからもフランスに帰国することなく、日本に滞在。騎手免許試験に備え、日本語漬けの生活に身を置くことで語学力の向上を図ってきた。今では報道陣とのコミュニケーションも日本語のみでほぼ問題なし。新聞の馬柱に載っている漢字も理解できるくらい上達している。

 騎手免許試験の合否が発表された2月5日に、喜びを分かち合ったミルコ・デムーロが刺激になっている。デビュー初日にいきなり重賞勝ち(阪急杯・ダイワマッジョーレ)を収めたデムーロは先月14勝、フィリーズレビュー(クイーンズリング)と合わせて既に重賞を2勝した。

 「ミルコが先にデビューして活躍しているのはうれしいし、励みになる。ジョッキー人生における新たなスタート。最初に失敗してしまったけど、これからベストを尽くす」

 先週木曜から今週火曜までいったんフランスに帰国。7月に家族が来日するまでは“単身赴任”とあって久しぶりに一家団らんの時間を過ごし、気持ちをリフレッシュさせた。今週は土曜が中山、日曜が阪神で騎乗。日曜メーン・大阪杯はラキシスの依頼を受けた。

 「先週の追い切りにまたがって状態の良さを感じた。有馬記念でもそんなに負けていないように能力はある。メンバーは強いけど楽しみ。応援よろしくお願いします」とやる気十分。ケガと騎乗停止で空白になった4カ月を経て、モチベーションはMAXまで上がっている。

 ◆クリストフ・ルメール 1979年5月20日、フランス生まれの35歳。99年フランスで騎手デビュー。02年に短期免許で初来日。これまでにJRA通算245勝、05年有馬記念(ハーツクライ)などG1を5勝。海外でも06年ドバイシーマC(ハーツクライ)などを勝っている。

 ≪騎乗停止経緯≫ルメールは3月1日の阪神競馬で“デビュー”予定だったが、外部との接触を制限する調整ルームにおいて、騎乗前日の2月28日に携帯電話を使用したことが、1日の早朝に判明した。これが日本中央競馬会競馬施行規定第147条19号「競馬の公正確保について業務上の注意義務に違反した者」に該当するとされ、3月1日から30日まで30日間の騎乗停止という即日の厳罰処分が下った。
 JRAがルメールから事情聴取を行った結果、同騎手が調整ルーム内で携帯電話の電源を入れておいたところ、知人からのツイートが入り、それに対して2回リツイートしたことが確認された。

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