【ジャパンC】ハープスター新戦法“ジェンティル目標に前の位置で”

[ 2014年11月28日 05:30 ]

CWコースでラストインパクト(左)と併せるハープスター

 凱旋門賞帰りの2頭が雪辱に燃えている――。超豪華メンバーが集まった「第34回ジャパンC」の木曜追いが27日、栗東トレセンで行われた。3歳牝馬ハープスターはCWコースで併せ馬。攻め駆けする相手に首差遅れはしたが、好状態をキープして反撃態勢が整った。同レースはこの日午後に出走馬、枠順が確定。28日、ウインズ新橋、後楽園で午後2時から7時まで金曜発売を行う。

【ジャパンC】

 ハープスターはCWコースでラストインパクト(4歳オープン)と併せ馬。相手とは距離を保ってスタートするのが厩舎の通常のパターンだが、今回はいきなりインパクトの外に馬体を併せる形で発進。馬に気合を乗せるためだが、松田博師は「前からやってみたいと思っていた形」と意図を説明した。

 馬体をピタリと併せたまま4コーナーで外を回って直線へ。鞍上が手綱をしごいて仕掛けるが、なかなかエンジンがかからない。さらに気合の左ムチが2発。多少モタつきながらも、最後の2完歩でいつものハープが戻った。ゴール10メートル手前では半馬身ほどあった遅れを、最後にグイッグイッと猛追。首差まで詰め寄ってゴールを通過した。たっぷり水分を含んだ不良馬場だったが、7F98秒7~1F12秒3と上々の時計を叩き出した。

 トレーナーは「相手が動き過ぎた。でも、使う以上は状態には納得している」と遅れを全く意に介していない。枠順は6番に決定し「外よりはいいね。内にいるジェンティルドンナを目標にある程度前の位置で乗ってもらうつもり」と、これまでの後方一気策とは異なるレース運びを予告した。

 過去に海外遠征帰国初戦でジャパンCを制した日本馬は06年ディープインパクトの1頭だけ。疲労回復の具合が最大のポイントになるが、師は「変わりない。フランスでの状態をキープできている」とジャッジを下した。万全とはいえない状態で臨んだ札幌記念でゴールドシップをねじ伏せV。そこから調子を上げ挑んだ凱旋門賞。世界の超一線級相手に6着に健闘した時と同じレベルを維持しているならば文句なし。

 世界中のホースマンが熱視線を送るレース。栗東に訪れた海外メディアの取材に「順調にいければ、また来年も凱旋門賞に挑戦するチャンスはあるかもしれない」と応じたトレーナー。来年、世界最高峰での雪辱へ――。最高の“再スタート”を切る。

 ≪凱旋門賞VTR≫日本馬はゴールドシップを含む3頭で参戦。ラビットホース(ペースメーカー)のモンヴィロンの逃げで淡々とした流れ。ハープスターは後方2番手、ジャスタウェイは後方4番手の位置取り。道中ぴったり折り合ったハープは4コーナーで外を回し追い上げたが、6着までがやっと。ジャスタは直線で外に出せず、終始内でもまれ通し。8着に終わった。

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