【日本ダービー】キンカメ産駒2代制覇へ、好素材3頭

[ 2014年5月30日 05:30 ]

 今年のダービーには、歴代5頭のダービー馬が種牡馬として計10頭の産駒を送り込んでいる。出走馬の過半数がダービー馬の子。言ってみれば、81回の歴史で最も“血中ダービー濃度”の高いダービーである。

【日本ダービー】

 ダービー馬の子がダービーを制したケースは、第14回マツミドリ(父カブトヤマ)、第21回ゴールデンウエーブ(父ミナミホマレ)、第25回ダイゴホマレ(同)、第58回トウカイテイオー(父シンボリルドルフ)、第74回ウオッカ(父タニノギムレット)、第76回ロジユニヴァース(父ネオユニヴァース)、第79回ディープブリランテ(父ディープインパクト)、第80回キズナ(同)の計8回。平均すれば10年に一度の割合だが、過去10年に限れば4回と、実に4倍速のペースアップを見せている。かつては独り歩きしていた「ダービー馬はダービー馬から」という競馬格言に、ようやく現実が追いついた格好だ。

 最多4頭出しのディープインパクト産駒については明日、詳述することとして、今回は初の“2代制覇”に挑む第71回優勝馬、キングカメハメハの産駒にスポットを当てる。

 エース格のトゥザワールドは、母がエリザベス女王杯勝ちのトゥザヴィクトリーで、G2・3勝の全兄トゥザグローリー同様、2000メートル超級でさらに良さが出るタイプ。同じ父で4年前、クビ差まで戴冠に迫ったローズキングダムとは、母の父サンデーサイレンスも共通の同配合となる。

 スズカデヴィアスも「母の父サンデーサイレンス」。こちらは3代母のローズオブスズカが英ダービー馬ドクターデヴィアスの妹という本場のダービー牝系の出身だ。

 タガノグランパは、母の父も第65回優勝馬のスペシャルウィークで、究極の日本ダービー配合といえる。4代母パリスロイヤルがイタリアオークス馬。血統的には距離克服能力が潜在している。

 ちなみにグレード制導入の84年以降の“2代制覇”は、シンボリルドルフ、タニノギムレット、ネオユニヴァースが初年度産駒で、ディープインパクトも2世代目で達成していた。「ダービー馬からダービー馬」には、血統的な鮮度が求められる面がある。キングカメハメハは今年が6度目のクラシックシーズン。その辺に一抹の不安を感じているのだが、果たして…。

 (サラブレッド血統センター)

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2014年5月30日のニュース