調教師に転身、佐藤裕太「有終の美を」

[ 2014年5月30日 05:30 ]

佐藤裕太騎手

 【地方競馬です!!】南関一、名馬の背中を味わってきた男が転身を決めた。アジュディミツオー、フリオーソなど数々の名馬の調教パートナーを務めた佐藤裕太騎手(38=船橋・川島正)が31日をもって引退。6月1日付で調教師免許を取得する。

 「関わった馬は重賞100勝以上、勝ち鞍は1000勝以上。それはうれしいが、騎手である以上、レースに乗れない悔しさも抱えてきた」。柔らかい物腰だが勝負師らしい言葉だった。記者にとってはプライドキムでの08年報知グランプリCが印象的。発馬でヨレたのが進路妨害とされ、首差2位入線も3着降着。発馬さえ決まっていれば、夢である「重賞制覇」に届いたかもしれなかった。裕太騎手は普段の姿からは想像できないほど、悔しさをあらわにしていた。だが、悔しさの一方で得難いものを得た騎手人生でもあった。ミツオーとのドバイ遠征はその最たるもの。人一倍、名馬を手掛けてきた自負もある。「たくさんのいい馬に乗った経験は自分の財産。それを生かして騎手としてやり残した夢を調教師で達成したい」。真っすぐに次の舞台を見据える。

 ラスト騎乗は30日、浦和11Rヒデサンスピリット。「調子を上げているのでチャンスはある。有終の美を狙いたい」。勝って区切りをつけ、新たな道に進む。 (秋田 麻由子)

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2014年5月30日のニュース