【大阪杯】キズナ大外急襲V!武豊「なんで2番人気だった?」

[ 2014年4月7日 05:30 ]

<大阪杯>武豊騎乗のキズナ(中)がトウカイパラダイス(左)、エピファネイア(右)を抑え復帰戦を快勝

 阪神競馬場で4歳G1馬3頭が対決した「第58回大阪杯」は、2番人気の昨年のダービー馬キズナが4角最後方から大外一気の差し切り勝ち。同期の菊花賞馬エピファネイアやG1・3勝牝馬メイショウマンボを寄せつけない完勝劇を見せた。

 ダービー馬キズナが4角最後方から大外一気の差し切りV。昨年の凱旋門賞以来、半年ぶりとなった4歳初戦を、完璧な内容で乗り切った。検量室前に引き揚げてきた武豊は、出迎えた佐々木師に安どの笑みを向ける。「自信があったのに、なんで2番人気だったのかな」と周囲を笑わせてから、レースを振り返った。

 「いいレースができました。前半でエネルギーを使わず、シンプルに乗りました。追い出してからの反応も良かったし、さすがダービー馬という感じですね」

 ゲートは五分に出たが、位置取りは自然と最後方になった。道中は1番人気のエピファネイアを2馬身ほど前に見る形。

 「意識はしていなかったけど、いい並びとは思いましたよ。近くにいた方が競馬はしやすいからね」

 4角手前から外を回って押し上げると、直線は大外へ。残り300メートルでエピファネイアをかわすと、ラスト100メートルで粘るトウカイパラダイスも捉えて先頭に立つと最後は流した。1馬身半の着差以上の完勝だった。

 次走は天皇賞・春(5月4日、京都)。これまで経験した最長の距離は2400メートルだが「距離が不安視されるような馬じゃない。そういうレベルじゃない」と武豊は距離に関する懸念を一蹴。「キズナは一番充実する時期にきているね」と勝負の年だと位置づけた。

 天皇賞・春の後は宝塚記念を使って、再び凱旋門賞を目指すプラン。佐々木師は「ジャスタウェイにゴールドシップにジェンティルドンナ…。凄い馬がたくさんいるけど、勝っていかないとね。去年からひと回りじゃなく、ふた回りパワーアップしているし、日本では負けないと思っている。それに秋には夢のG1が待っているんだから」と期待に胸を膨らませる。

 今や競馬ファンだけでなく、日本中が注目する存在となった。日本のエースとして世界へ――。武豊は「それが今年課せられたこと。気を引き締めてやっていきます」と言い切った。2014年の主役はやっぱりキズナで間違いない。

 ◆キズナ 父ディープインパクト 母キャットクイル(母の父ストームキャット)牡4歳 栗東・佐々木厩舎所属 馬主・前田晋二氏 生産者・北海道新冠町ノースヒルズ 戦績10戦7勝 総獲得賞金4億5455万9800円(戦績、賞金共に海外含む)。

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2014年4月7日のニュース