【フェアリーS】オメガハートロック 戸崎好騎乗でドンピシャ差し

[ 2014年1月14日 05:30 ]

オメガハートロック(左)は、直線一気の末脚でフェアリーSを制した

 桜候補の登場だ。3日間開催の月曜メーンは3歳牝馬の重賞「第30回フェアリーS」が13日、中山競馬場で行われた。1番人気のオメガハートロックが戸崎の好騎乗に導かれ、直線鋭く伸びて優勝。デビュー2連勝で春の主役候補に名乗りを上げた。戸崎は今年の重賞初勝利。同レースはこれで関東馬の5連勝となった。

【レース結果】

 下馬評通りに大激戦の直線。戸崎の剛腕がさえ渡った。オメガハートロックを右手綱だけでコントロールし、左手でタイミング良くムチを振り下ろす。馬の闘志を最大限に引き出し、外から迫るニシノアカツキを首差抑えた。

 「素質があるのは分かっていたし、僕が邪魔をしないようにリズム良く行ければと思った。スローで少し力んだが、しまいは伸びてくれた」。戸崎は馬をたたえたが、4角から馬群の外で続いたニシノアカツキとの攻防は見応えがあった。外からオメガを内に押し込めようとするブノワ、そうはさせじと進路を確保する戸崎。戸崎は4角の外斜行で戒告を受けたものの、腕っぷしの強い外国人騎手相手に一歩も引くことなく、最後まで抜かせなかった。

 昨年3月にJRAに移籍し、昨年は113勝。関東リーディングは1勝差で内田に譲ったが、今年はその期待もかかる。本人は「まだまだ納得できないレースが多い。1つ1つですね」としっかり足元を見つめるが、「重賞を勝てて良かった」と幸先良いスタートには笑顔を見せた。

 馬自身も高い能力を感じさせる勝ちっぷりだった。東京での新馬戦を勝ち、これが2戦目。頭を上げ気味にゲートを出て、スタート直後はごちゃついた。キャリアの浅さに初コースとあって道中は幾分行きたがったが、直線は長くいい脚を使った。

 2つ年上の半姉オメガハートランドは同レース4着。その雪辱を果たした妹にはさらなる活躍への期待が高まる。姉はフラワーCを制して牝馬3冠全てに出走したが、桜花賞12着など結果が出なかった。今後は未定だが、マイル2連勝で桜花賞が最初の目標になるのは確実。戸崎は「まだ若さが残るので、上積みがあると思う」と成長を見込んでいる。まず1つ姉の借りを返したが、まだまだこれから。ハートロックが姉超えの春に挑む。

 ◆オメガハートロック 父ネオユニヴァース 母オメガアイランド(母の父エルコンドルパサー)牝3歳 美浦・堀厩舎所属 馬主・原禮子氏 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績2戦2勝 総獲得賞金4158万8000円。

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