【プロキオンS】桜花賞馬弟アドマイヤロイヤル レコード初重賞

[ 2013年7月8日 06:00 ]

セイクリムズン(奥)を抑えたアドマイヤロイヤル(左はダノンカモン)

 7日の中京のダートG3「プロキオンS」は四位洋文(40)騎乗のアドマイヤロイヤルが重賞初制覇を決めた。

【レース結果】

 尾張のダート決戦は最後まで熱かった。先に抜け出したアドマイヤロイヤルに、内からセイクリムズン、外からダノンカモンが襲いかかり、鼻面を並べてゴール。その後ろではエアウルフとシルクフォーチュンが激しい4着争い。電光掲示板には「レコード 1分21秒9」の文字がともったが、着順欄にはしばらく馬番が点灯しなかった。

 首差の激戦を制したのはアドマイヤロイヤル。気温34度。汗を拭った四位は「うまくいったね」と笑った。1400勝騎手の腕が光った。「砂をかぶると良くない。内めの枠が懸念材料」と考えていたが、最高のポジションを確保した。トシキャンディが飛ばし、馬群は前後2つの集団に分かれた。四位は後ろの馬群、インを追走。上手に脚をタメ、それでいて砂を浴びないベストの位置だった。

 直線で外に出す。外からダノンカモンが馬体を寄せてきたが、そこでグッとこらえて進路を確保した。慌てて追い出さず、ひと呼吸待って馬を鼓舞した。「早く追い出すと、自分からやめてしまう」。ジワジワとギアを上げ、残り100メートルを切って先頭。内外から迫るライバルを封じきった。

 四位は夏の主戦場である函館から駆けつけ、11年マーチS以来のJRA重賞V。「いい時に乗せてもらっただけ。僕のことよりロイヤルを褒めてよ。いつも惜しかったんだから」。6歳、29戦目でついに重賞を制した相棒を称えた。

 「6歳になって精神的に成長している」と橋田師。05年桜花賞、NHKマイルCを制したラインクラフトの弟。期待され続けた素質馬の開花を指揮官は喜んだ。担当の児玉武大助手は、妻のホースコラボレーター・細江純子さんが現在妊娠中。力の入る一戦だった。

 今後は「レース後の様子を見ながら」(橋田師)として未定。「今まで大舞台に出走できなかった。これから目指していければ」。賞金も経験も積んだ。遅咲き馬の進撃が尾張から始まる。

 ◆アドマイヤロイヤル 父キングカメハメハ 母マストビーラヴド(母の父サンデーサイレンス)牡6歳 栗東・橋田厩舎所属 馬主・近藤利一氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績29戦7勝 総獲得賞金2億1931万7000円(地方含む)。

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