【七夕賞】大知の願い通じた!マイネルラクリマ復活レコードV

[ 2013年7月8日 06:00 ]

レースレコードで2度目の重賞制覇に柴田大はゴール後、派手なガッツポーズ

 憧れの女優の前で勝てますように--。短冊に込めた願いが通じた。名物ハンデG3「七夕賞」が7日、福島競馬場で行われ、柴田大知(36)騎乗のマイネルラクリマが1番人気に応え、レースレコードで完勝。骨折を乗り越え、12年スポニチ賞京都金杯以来の重賞2勝目を飾った。

【レース結果】

 優勝プレゼンターを務めた女優・剛力彩芽の隣で柴田大が感極まった表情だ。大ファンという理由だけではない。「マイネルラクリマは本当に偉い馬。よくぞここまで…。ただただ、頭が下がります」。1年余の骨折を乗り越えて重賞ウイナーに返り咲いたパートナーの奮闘に、熱い思いが込み上げた。

 掛かり気味に4角で先頭に立つ積極策。直線半ばで後続の蹄音が急接近すると、馬はハミをかみしめた。蹄の先まで覇気が宿り、2着トレイルブレイザーを2馬身半突き放した。「具合が良すぎて掛かり気味になったのに大知(柴田大)がうまくなだめてくれた」と振り返った上原師。傍らでは柴田大が言葉を振り絞った。「強い!骨折を感じさせない走り。完全復調です」

 左後肢だけが白い競走馬を「左後一白」という。俗説では名馬の相とされる。マイネルラクリマも左後一白だが、その左後肢にはボルトが埋め込まれている。調教中に左第3中足骨(管骨)を骨折したのは昨年2月25日。亀裂の入った2カ所をボルトで留める手術が施された。回復を待たなければ骨がずれてしまう箇所。放牧先の北海道・真歌トレーニングパークでウオーキングマシンを使ったリハビリ生活が続いた。昨夏には骨膜に炎症が生じて一からやり直し。ようやく戦列復帰を果たしたのは今年3月10日のことだった。

 荒れ続けたハンデ重賞。1番人気の優勝は、くしくも骨折箇所をボルトの固定で復活した09年ミヤビランベリ以来だ。次走は未定だが柴田大は「大きなレースを狙っていきたい」と秋のG1へ夢をかける。

 再起を果たした“左後一白”。震災の爪痕が残る福島のファンに示した名馬の相。「実はね、剛力彩芽さんの前で絶対勝つぞと思っていたんです」。馬が復活した感動に加え、憧れの女優の前で勝てた喜び。ゴールの瞬間、左腕を大きく上げた理由がよく分かった。

 ◆マイネルラクリマ 父チーフベアハート 母ティアドロップス(母の父サンデーサイレンス)牡5歳 美浦・上原厩舎所属 馬主・サラブレッドクラブラフィアン 生産者・北海道新ひだか町武牧場 戦績17戦5勝 総獲得賞金1億9257万2000円。

 ≪サマー2000シリーズ≫夏の芝2000メートル重賞5レースの着順に応じたポイントで、チャンピオンを決める。対象は七夕賞、函館記念(14日)、小倉記念(8月4日)、札幌記念(同18日)、新潟記念(9月1日)。シリーズチャンピオンの馬主には褒賞金3200万円、厩舎関係者には800万円が支給される。昨年は函館記念、新潟記念を制したトランスワープがチャンピオンに。

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2013年7月8日のニュース