【ドバイシーマC】ジェンティルドンナ スピード感あふれるいい走り

[ 2013年3月28日 06:00 ]

メイダン競馬場でコース入りするジェンティルドンナ

ドバイワールドC

 ドバイシーマクラシックに挑戦するジェンティルドンナ(牝4=石坂)も、決戦の舞台となるメイダン競馬場の芝コースに高い適性を感じさせる鋭い動き。初の海外G1制覇へ大きく前進した。

 メイダン競馬場の巨大なスタンドが朝日に輝き始めた午前6時半。ジェンティルドンナは本番と同じ芝コースへと入った。朝もやに煙る向正面の引き込み線からスタート。3角手前で井上助手が軽く手綱を動かして促すと、体の重心をグッと下げ走りに力強さを増した。コーナーもスムーズに回り直線へ。最後も軽く気合をつけた程度だったが、スピード感あふれる動き。外ラチ沿いを5F70秒1、3F39秒6、ラスト1Fは12秒1で駆け抜けた。

 石坂師は、主戦・岩田と共にスタンドから動きを見守った。指揮官は「日本とは芝の質が違うが、特に問題ないようだ。いい走りだった」と納得の表情。「物見をする馬なので、6Fから気合をつける感じで行った。日を追うごとに落ち着いている。栗東にいる時より、のんびりしているくらい。順調すぎて逆に心配になるくらいだよ」

 岩田は「馬が充実している感じ。厩舎で見たら凄くリラックスした目をしていた」と話した。手綱を取らなくても、知り尽くした愛馬の状態は手に取るように分かる。レースについては「常に最高のパフォーマンスを求められている馬。プレッシャーはあるが、馬の力を最大限に引き出すだけ」。先週の高松宮記念でも単勝1・3倍のロードカナロアを完璧なエスコートでVへと導いた名手。余裕の笑みは、まるで重圧を楽しむかのようだ。

 国内でダートG1・9勝を挙げたヴァーミリアンで2度、ドバイワールドCに挑んだ経験のある石坂師。「それなりに自信があった2回とも完敗して(07年4着、08年12着)、もうドバイに来ることは難しいと思っていた。ようやく、もう1回挑戦したいと思う馬が現れた。それくらい能力がずば抜けている」。過去の苦い経験を糧に、ジェンティルと石坂師の新たな挑戦の準備は整った。

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2013年3月28日のニュース