【阪急杯】王者ロードカナロア 香港G1圧勝も“まだ奥がある!”

[ 2013年2月19日 06:00 ]

13年の始動戦を迎えるロードカナロア

 絶対王者のお出ましだ。今週から舞台は中山、阪神へ。高松宮記念の前哨戦「阪急杯」にロードカナロアが登場する。昨年暮れの香港スプリントを圧勝し、実力的には世界の頂点と目される実力馬。もう国内で負けるわけにはいかない。世界が注目する、今年の始動戦に向け、仕上がりは上々。17日のフェブラリーSをグレープブランデーで制した安田隆行厩舎の勢いは止まらない。

【阪急杯】

 ロードカナロア時代の到来だ。世界指折りの短距離王国、香港。そこに乗り込み、香港スプリントで2馬身半差の圧勝を飾ったのだから、これはもう日本競馬史に残る偉業と表現できる。日本勢、延べ14頭が挑んで5着(11年カレンチャン)が最高だった高き壁をあっさり乗り越え、今や世界屈指のスプリンター。安田翔助手は胸を張って語った。「世界的に格式の高いレースを勝てた。これからは絶対に負けられない立場になった」

 帰国後は検疫を挟み、先月22日に帰厩。以後、入念に乗り込まれている。グレープブランデーの併せ馬の相手を務めるなど、厩舎の大黒柱らしい“仕事”をこなし、13日の1週前追いは坂路で4F54秒0~1F12秒1を馬なりで刻んで万全。世界の強豪たる風格が漂っている。「問題なく調整できた。力を出せる状態にある」。同助手の言葉はシンプルだ。「昨年秋と比べてコンディションを上げやすい。暑い時季より、今くらいの気温の方がいいようだ」。同じ休み明けでも、今回の方が仕上げやすかったと語った。

 重箱の隅をつつくようだが、1400メートルへの距離延長はどうか。同助手は「これまで乗ってくれた騎手(岩田、福永ら)がスピード一辺倒ではない競馬を教えてくれた。大丈夫」。確かに、好位から流れに乗って差す競馬がカナロアの持ち味。1F延長が問題になるとは思えない。

 これから続くのは、絶対に負けられない戦い。だが、同助手はプレッシャーを楽しんでいるように見える。「走りをコントロールできるようになっている。完成の域?もう一段階、上がありそうだよ」。強豪ぞろいの海外G1を圧勝しながら、まだ奥があるとは。恐ろしい馬だ。

 この後、招待を受けたゴールデンシャヒーン(3月30日、ドバイ・メイダン)に向かうか、それとも高松宮記念に向かうかは未定。「どこに行くにしても、弾みがつくようなレースを」。休み明けでも取りこぼすつもりは一切ない。

続きを表示

2013年2月19日のニュース