【京成杯】伏兵フェイム差し切りV!皐月賞へ大きな1勝

[ 2013年1月22日 06:00 ]

アクションスター(右)の猛追をしのいで京成杯で重賞初制覇を飾ったフェイムゲーム

 雪による延期で1週遅れとなった「第53回京成杯」が21日、中山競馬場で行われ、7番人気の伏兵フェイムゲームが差し切りV。フランシス・ベリー騎手(32=アイルランド)は、20日のアメリカジョッキークラブC(ダノンバラード)に続き、2日連続の重賞V。直線の内斜行が物議を醸した前日とは違い、巧みな騎乗ぶりが光った。中山巧者として名をはせたバランスオブゲームの半弟。皐月賞(4月14日、中山)に向けて大きな1勝となった。

【レース結果】

 序盤は後方に構えたフェイムゲームが3角手前から一気に進出していく。直線入り口で好位集団を捉えると、ベリーのアクションが激しさを増した。先に抜け出したケイアイチョウサンをかわし、外から馬体を並べて食い下がったアクションスターを首差振り切ってゴール。鮮やかな手綱さばきで重賞初Vへと導いた。

 ベリーは日曜のAJC杯に続く、連日の重賞V。AJC杯は直線の内斜行をめぐって審議となり、降着こそなかったが開催6日間の騎乗停止処分に。その翌日とあって、ガッツポーズは封印したが「これで自分も素直に喜ぶことができる。きのうは皆さんに迷惑をかけたから」と満面に笑みを浮かべた。レースについては「スタートが悪いと聞いていたが、少し遅かった程度。残り800メートルの地点で追い出すと反応が鈍かったが、ステッキ1発で馬がシャキッとした。いい脚を使ったし能力が高い」と振り返った。

 宗像師にとっても特別な1勝だ。フェイムの半兄バランスオブゲームも宗像厩舎の管理馬。中山で重賞4勝を挙げたコース巧者の弟で、再び中山の重賞を制したのだから格別だ。「やはり中山が得意な血統ですね」と感慨深げ。「兄は先行力があったが、弟は前を追いかけていかない。タイプが違うので、今後も末脚を生かすレースになる」と比較した。

 雪による延期で出直しの一戦。14日は中山から美浦への帰路に10時間を要した。「短期間に2回輸送して馬もきつかったと思うが、前走よりも落ち着いていたくらい。精神的に強くなった。厩舎ではやんちゃで、競馬場の方がリラックスしている。自分の仕事を分かっているのかな」。難しい調整をクリアしての勝利だが、指揮官は何よりも愛馬の頑張りをねぎらった。

 次走は未定だが「クラシックの目標が明確になった。皐月賞と同じ舞台を勝ったのだから」と師。兄バランスは3冠全てに出走し皐月8着、ダービー7着、菊5着。兄の、厩舎の夢を背負って、春の大舞台へと進む。

 ◆フェイムゲーム 父ハーツクライ 母ホールオブフェーム(母の父アレミロード)牡3歳 美浦・宗像厩舎所属 馬主・サンデーレーシング 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦積4戦2勝 獲得賞金4299万7000円。

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