【秋華賞】“白オルフェ”アイス、狙う逆転女王

[ 2012年10月10日 06:00 ]

<秋華賞>逆転女王の座を狙うアイスフォーリス

 オルフェーヴルの分まで頑張るぞ!牝馬3冠最終戦の「第17回秋華賞」に出走するオークス3着馬アイスフォーリスは父、馬主、生産者が全て凱旋門賞2着惜敗のオルフェーヴルと同じ。“雪辱戦”ともなる大一番に向け状態面は急上昇しており、伏兵は虎視たんたんと逆転女王の座を狙っている。

 父=ステイゴールド、馬主=サンデーレーシング、生産者=社台C白老F。この肩書を持つJRA現役馬は2頭しかいない。先週の凱旋門賞で首差2着に敗れたオルフェーヴルと、もう1頭がアイスフォーリス。秋華賞は言わば雪辱戦でもある。

 大一番に向けての調整は順調だ。休み明けの紫苑S(5着)を使って順当に良化。3日の1週前追い切りは主戦の松岡を背にWコースで6F83秒0~1F13秒4。セミニョン(4歳500万)相手に遅れたが、松岡は「時計は出ているし、稽古駆けする馬を追いかけたからね。前回よりは明らかにいい」と、好感触をつかんでいる。火曜朝は坂路を4F63秒3で軽快に登坂した。

 今をときめくステイゴールド産駒。津曲助手は「この馬もちょっとムキになるところがある」と、産駒の特徴である気性面での難しさを認めるが、その性格は勝負根性と表裏一体。オークスではアイムユアーズとのし烈な3着争いを鼻差で制した。一方で津曲助手は「調教では春先よりもうまく(コントロールして)乗れるようになった。今なら折り合いはつくと思う」と成長も感じ取っている。道中はムキにならず、直線だけその気になれば…。春以上のパフォーマンスも十分可能だ。

 それでも女王逆転は容易ではない。オークスでのジェンティルドンナとの差は0秒9。津曲助手は「状態、枠順、レースぶりの全てで100点の競馬をしないと厳しいでしょう」と、さすがに慎重な口調だが、「春は詰めて使っていたし、今回が一番いい状態」とも語る。まず状態面に関しては“条件”を整えたと言わんばかりだ。

 馬名は春に白と赤の花を咲かせるチューリップの品種に由来し、母リリウム(ユリの学名)、祖母ベゴニアと花の名前が連なる一族。牝馬3冠最終戦で時季外れの大きな花を咲かせるか。

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2012年10月10日のニュース