【マイラーズＣ】舞台替わってもシルポート連覇

＜マイラーズＣ＞後続馬を引き離し快勝のシルポート（左）

　京都のメーン「第４３回マイラーズＣ」はシルポートが逃げ切り。阪神開催だった昨年に続く連覇を達成した。

　昨年の再現だ。舞台が阪神から京都に替わっても、やはりシルポートの独り舞台だった。昨年と同じ８枠１７番からハナを奪い、早々と自分の形に持ち込んだ。直線でも持ち前の粘りをフルに発揮。２着ダノンシャーク以下の追い上げを悠々としのぎ切った。連覇を決めた鞍上は今年も小牧。「競りかけてくる馬がいなかったので昨年と同じような感じで行けた」。柔和な笑顔を浮かべて振り返った。

　昨年１０月の毎日王冠（８着）以来のコンビでも「この馬のことは全部分かっている」と作戦に迷いはなかった。「絶対にハナに行く」という強い気持ちで押して先頭。持ち前のしぶとさを出し切った。

　昼すぎから降りしきる雨に「草丈の長い芝の道悪がどうかなと内心は心配だった」と西園師は言う。だが「Ｇ１馬が３頭もいて気持ちは挑戦者。展開に恵まれたのもあるが、よく頑張ってくれた」と笑顔。陣営にはこの馬の競馬さえできれば連覇可能との思いもあった。「中山記念を使ってから筋肉がついた。追い切りの動きも良かった」と前走からの急上昇を感じていたのだ。

　これで区切りの１０勝。今年７歳を迎え、ベテランの域に入るが「この年でもますます元気。力をつけている。本当に息の長い馬」と西園師は目を細める。次走は安田記念（６月３日、東京）。このまま厩舎で調整し、３着コスモセンサー、９着キングストリートも含めて３頭で挑む。勢いを完全に取り戻した古豪が、円熟の逃げでＧ１戦線を盛り上げる。　

　◆シルポート　父ホワイトマズル　母スペランツァ（母の父サンデーサイレンス）牡７歳　栗東・西園厩舎所属　馬主・河崎五市氏　生産者・北海道新ひだか町タイヘイ牧場　戦績４４戦１０勝　総獲得賞金３億６７１６万８０００円。