【皐月賞】アダムスピーク、厩舎&父の勢い!

[ 2012年4月11日 06:00 ]

<皐月賞>調教を終えたアダムスピーク(中央)は、軍団の先頭を歩き厩舎に戻る

 桜花賞に続き、皐月賞も制圧へ。ジェンティルドンナで牝馬1冠を獲得した石坂厩舎が、今週は3戦2勝のアダムスピークでクラシック連勝を狙う。出世レースのラジオNIKKEI杯2歳Sをデビュー2戦目で制した素質馬。今年のクラシック戦線を席巻する注目のディープインパクト産駒だ。すみれSを勝って本番に臨むベールドインパクトも同じディープ産駒。父が躍動した舞台でさらなる飛躍を誓う。

 勝負事において勢いは重要だ。ジェンティルドンナで桜花賞を制した石坂厩舎が、今週の皐月賞に送り込むのがアダムスピーク。桜花賞でワンツーを独占したディープインパクト産駒で、血統の勢いも見逃せない。石坂師も「厩舎のムードも凄くいい。もちろん、今週もという気持ちを持っている」とクラシック連勝に意欲を見せる。

 デビュー戦→ラジオNIKKEI杯2歳Sを連勝し、無敗で挑んだ弥生賞は1番人気に支持されて8着に敗退。評価は急落しているが、前走は直線で前が詰まり、まともに追い出せないシーンも。初めて経験した軟馬場(やや重)も切れ味に影響した。「前走は全てが悪い方に向いてしまい、全く競馬になっていない。決して力負けではない」。師はそう振り返った上で「むしろ中山で1回使えたこと、関東への輸送をクリアできたことが重要。そういう経験値が、本番で生きてくる」と話す。素質馬とはいえキャリアわずか3戦のアダムスにとって、敗戦から得た教訓は大きい。

 「レースをしていないからダメージもなかったし、その後も順調に調整できている」と体調は万全。1週前追いではジェンティルドンナに2馬身遅れたが「向こうは稽古も動くし競馬の週だったから」と意に介していない。デビュー2戦目だったラジオNIKKEI杯2歳Sでは、皐月賞V候補の一角を占めるゴールドシップ、グランデッツァをゴール前で突き放す快勝。「あのレースを勝ったことで賞金的な余裕ができて、無理せず使うレースを絞ることができた。その点も大きな強み」とトレーナーは強調する。

 好位で折り合い、後続を一瞬で置き去りにする加速力が最大の武器。指揮官も「この馬の競馬をするだけ」と戦法に迷いはない。展開に紛れが生じやすい中山コース。わずか2戦目で重賞を制した性能と、鞍上の意のままに動ける操縦性が、大きなアドバンテージになるのは間違いない。

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2012年4月11日のニュース