【船橋】同期の坂井さんにささぐ…青山、号泣V

[ 2012年1月18日 06:00 ]

亡き同期、坂井さんの写真パネルの横で、涙を流す青山周平(中央)

 亡き同期生へ号泣の手向けV。15日に女子オートレーサー、坂井宏朱(さかい・ひろみ)さん(享年27)の死亡事故が起きた船橋オートレース場で17日、優勝戦が行われ、坂井さんの同期、同年齢で昨年の最優秀新人、青山周平(船橋=31期)が0ハンから逃げ切って優勝した。

 「同期がしょぼくれていても仕方がない」。事故から気丈に振る舞っていた同期は1着ゴールで引き揚げてくると、悲しみを抑えることができなかった。V走をねぎらう選手仲間に背中をぽんぽん叩かれているうちに、とめどなく涙があふれてくる。ヘルメットを脱ぐと、しゃくりあげて検車場の中で泣き崩れた。

 「事故が最悪な結果になり、正直、レースをしたくなかった。きのう(16日)の夕練では気持ちがついてこなくて、危ないと思ってすぐにやめた。あいつのために頑張らなきゃという気持ちが入り交じって自分をコントロールするのが難しかった」。悲しみをこらえて挑んだ優勝戦。「1コーナー(事故現場)で見られている気がして、俺の走りを見てろと、いつもより“開け足す”(スピードを上げる)感じで走りました」

 一昨年9月の養成所入所以来、苦楽を共にしてきた同期の胸には坂井さんの思い出がたくさん詰まっている。「OLからの転身は厳しかったと思う。同期にしか分からない苦労を養成所で見てきましたから。これからという時期に終わってしまって…。努力する姿から教えられたこともあるし、厳しいことも言った。その分、自分がしっかりレースしないと」と涙声で締めくくった。

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