【阪神JF】ド根性娘トーセンベニザクラ“満開”の予感

[ 2011年12月7日 06:00 ]

<阪神JF>使うたびに成長するトーセンベニザクラ

 2歳女王決定戦「第63回阪神JF」は栗東滞在中の関東馬が熱い。最多6戦のキャリアを誇るトーセンベニザクラはここにきて2連勝と絶好調。心身ともに成長し、栗東の環境にも慣れてリラックス。父ダイワメジャー譲りの機動力が“満開”の予感だ。2戦2勝のイチオクノホシはメンバー屈指の切れ味の持ち主。上がりやすいテンションを考慮した早めの栗東入りが実を結びそうだ。

 トーセンベニザクラは牝馬にしては珍しい叩き良化型だ。使い減りするどころか、使うたびに競馬がうまくなっている。5戦目の9月中山で待望の初白星。続く赤松賞は後方追走から内ラチ沿いを一気に突き抜けた。8番人気の低評価を覆し、上がり3F33秒2の剛脚。先月26日に栗東入りした高橋調教厩務員は目を細めた。

 「前走は僕も正直、びっくり。ただ8キロ増でも太め感はなく、使い込んでいた夏場より体が良くなったなと感じていたんです。怖がりで1、2戦目は競馬にならなかったけど、気性の方もだいぶ成長した」

 出走確定馬では最多6戦のキャリア。新馬、2戦目の未勝利(共に6着)は馬混みと格闘したが、その後は2、2、1、1着と一気に軌道に乗った。馬群をスイスイと縫った赤松賞はデビュー時には考えられなかった芸当だ。

 バテずにジワジワと伸びるその姿はJRA2歳種牡馬リーディングの首位を走る父ダイワメジャー譲り。

 「馬場に行くと結構きつい面はあるけど、普段はおとなしい。それにパワーがありますよ。首なんか本当に力強い。デビュー当初と比べて、抜けるところは抜け、メリハリが利くようになったのが成績につながっていると思う」。同助手は成長を肌で感じている。

 美浦~阪神の長距離輸送の負担を軽減するため、おなじみになった関東馬の栗東滞在。調教コースから一番遠い位置にある出張厩舎は快適そのもの。「カイバも食べているし、馬房が静かな場所にあるので美浦よりリラックスしているぐらい。あとは追い切った後にテンションが上がらなければ…。右回りや距離は経験しているし、力を出し切れればチャンスはあるはず。オーナーの勢い?あやかりたいです」と同助手は笑顔で結んだ。「トーセン」の冠名でおなじみの島川隆哉オーナーといえば、総大将トーセンジョーダンが天皇賞・秋優勝、ジャパンC2着と飛ぶ鳥を落とす勢い。人馬の勢いを味方に、冬の仁川でベニザクラが満開だ。

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2011年12月7日のニュース