【宝塚記念】トゥザグローリーに福永「？」

福永騎手を背にＣＷコースでロリンザーユーザー（左）を突き放すトゥザグローリー

　評価しづらい追い切りとなった。天皇賞・春１３着からの巻き返しを図るトゥザグローリーは主戦・福永を背にＣＷコースへ。先行したロリンザーユーザー（７歳１６００万）との差を徐々に詰め、直線に向いて楽な手応えで並びかけていく。ゴーサインに反応すると、真っすぐに伸びて６Ｆ８１秒６～１Ｆ１１秒８。１馬身先着でゴールを駆け抜けた。動き、時計は決して悪くない。それでも先週に続いて池江師は終始慎重な口ぶりだった。

　「夏負けの兆候が出て、ケアしながらやっている。悪くはないけど日経賞のときが素晴らしかっただけに、それと比べるとね」

　その気になれば稽古で時計は出る。問題は中身だ。実際にまたがった福永は見た目の印象との“ギャップ”をこう表現している。

　「非常に乗りやすくなっていて良く言えば無駄がない、悪く言えば覇気がない。それがどう出るかはちょっと分からない」

　半信半疑のまま実戦に臨むのは事実。ただし、距離短縮に加えて３戦３勝の阪神といい材料もある。「力を出し切れば通用すると思う」と福永。秘める可能性を信じて初のＧ１獲りに挑む。