【宝塚記念】ルーラーシップ切れ味抜群11秒7

[ 2011年6月23日 06:00 ]

CWコースでマゼランと併せるルーラーシップ(手前)

 期待が大きいからこそ、指揮官はしっかりと情勢を分析していた。ルーラーシップの会見で角居師は自らを鼓舞するように、最大のライバルの名をはっきりと口にした。

 「ブエナビスタは状態が良さそう。実績、能力は抜けていると思う。有馬記念では差があったけど詰まってくればいいね」

 最強牝馬を称えながらも、その口ぶりにどこか余裕を感じさせた。最終追い切りは、CWコースでマゼラン(6歳1600万)との併せ馬。6Fで4馬身追走しながら4角手前であっさり並びかけると、最後は軽くうながす程度で頭差先着。6F86秒2は平凡だが、ラスト1Fは11秒7の切れ味。「動く馬を相手にしっかり最後まで走れていた。前走後もさほど疲れはなかったし、体が立派になってきている」と称える。前走・金鯱賞でにわかに明らかになった弱点の“出遅れ”についても「この間は後ろに体重をかけたタイミングでゲートが開いたので、上に飛んでしまった。ゲート練習では悪い感じはしない。あれ(金鯱賞のまくり)はグランプリでは通用しない技だしね」と同じ過ちはしないとばかりに、語気を強めた。

 現時点で憂慮することはない。あえて希望を言うなら馬場状態だろう。「大きく跳べる馬だから、滑る馬場よりは滑らない馬場の方がいい。良馬場でどれだけ跳べるのか、見てみたいね」。前走は極悪馬場での“圧倒V”だったが、まだまだ上がある。良馬場なら、さらに凄みを増したルーラーシップが見られるはずだ。

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2011年6月23日のニュース