【新鋭王座決定戦】山田哲也“あわや”も卒業V
スタート自慢の男が新鋭の頂点に!「第25回新鋭王座決定戦」は山田哲也が2コース差しでG1初V。1号艇の新田雄史が逃げ切り態勢の1Mでまさかの振り込み。冷静に差した山田が抜け出した。この勝利で初のSGとなる3月・戸田総理大臣杯出場も決めた。
冷静なハンドルさばきでつかんだ卒業Vだ。スタート展示では、あわや転覆の一幕を見せてしまった山田。しかし、このアクシデントを乗り越えたことでツキが巡ってきた。「舟が浮いた時は転覆したかと思ったが残ってくれた。でも、それで逆に肩の力が抜けた。新田君の舟が暴れているのは分かったし、水しぶきが上がっているのも見えた」。落ち着きを取り戻したことが、イン新田の1M振り込みに巻き込まれなかった要因だ。
山田はこの大会が最後の新鋭戦となる95期生。王座には4回目の出場となったが、見事にラストチャンスを生かし切った。4度目の正直を果たせた裏にあるのは昨年12月の関東地区選。G1初優出を飾ったことで強い気持ちが生まれた。「あの経験があったから、過去の王座より“勝つぞ”という気持ちが大きかった。それに地区選の優勝戦では1Mミスしたのでリベンジしたかった」。格上相手の健闘と失敗。これが一回り成長させたのだ。
そして、もう一つ山田が進化する契機となったのが阿波勝哉の助言だ。昨年3月のとこなめ一般戦で「テツ(山田)はスタートが早いのだから伸び型にした方がいい」と言われ、そのアドバイスを取り入れたことで調子が上がったという。新鋭王座Vで総理杯の出場切符もつかんだ山田。「僕の売りはスタート。ガンガン行ってアピールしたい」。成長著しい関東の新星が、今度はSGの舞台で究極のスリット攻勢を見せる。
▼木下大将(2着)スタートは全速。納得の足だったけど乗りにくかった。満足したら駄目だけど今節は100点満点。
▼坂元浩仁(3着)スタートはもっと行ったと思ったけど…。準優も優勝戦も悔やまれる。
▼平本真之(4着)優勝戦が1番いい足。1Mは仕方ない。事故にならなくて良かった。
▼新田雄史(5着)スタートもバッチリだったし調整も完璧。自分のミス。
▼水摩 敦(6着)スタートは思ったより届いていなかった。1Mはしぶきが見えたけど何が起こったか分からなかった。
◆優勝戦VTR S展示は123・456だったが、本番は平本がピット離れで飛び出し123・465。イン新田が1Mで振り込み、その内を山田が差して優勝。1Mまくり差した木下、坂元がそれぞれ2、3着。平本は1Mで新田を避けて外へ。水摩も1Mで振り込み後退。
◆山田 哲也(やまだ・てつや)1982年(昭57)10月14日、千葉生まれの28歳。東京支部。04年11月に95期生としてデビュー。同期には峰竜太らがいる。09年5月に初優勝。今回が通算で5回目の優勝。G1は2回目の優出で初V。1メートル69、50キロ、血液型A。
2011年1月31日のニュース
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